特殊詐欺撲滅へ共同宣言 県警と家電販売会社

急増する特殊詐欺の被害を未然に防ごうと和歌山県警は11日、和歌山市小松原通の県警本部で特殊詐欺撲滅に向けた共同宣言を実施。家電販売会社の㈱エディオン、㈱関西ケーズデンキ、上新電機㈱、㈱ヤマダホールディングスの4社と、防犯機能付き電話機を販売するシャープ㈱の担当者が出席し、特殊詐欺撲滅に向けた広報啓発活動の連携強化を誓った。

生活安全企画課によると、県内におけることしの特殊詐欺被害の認知件数は9月末時点で70件。被害総額は約1億600万円に上る。前年同期より26件、約3300万円増と大幅に増加していることから、被害防止対策として「犯人からの電話に出ない」「電話を切る」「ちょっと確認電話でまず確認」を推奨している。

中でも「犯人からの電話に出ない」対策として、防犯機能付き電話機を普及促進しようと、同商品を販売するシャープ㈱をはじめ、家電販売会社の4社に協力を依頼し、連携強化を図るための共同宣言の実施に至った。県警本部が家電販売店と共同宣言を行うのは全国でも珍しい取り組みだという。

県警本部の髙砂浩之生活安全部長が「特殊詐欺撲滅の実現のため、防犯機能付き電話機の普及促進と広報啓発が大切」とあいさつ。各社の特色を生かした協力を呼び掛けた。

参加企業を代表し、㈱ヤマダホールディングス執行役員室長の清村浩一さんが「被害に遭わない、安心して住める社会になるよう一市民、一事業者として協力を続けたい」とあいさつ。上新電機㈱営業戦略担当関西営業部の稲庭薫さんが「県内で多発する特殊詐欺撲滅に向けて、持てる力を発揮するとともに連携し、特殊詐欺被害を防止するための各種取り組みを積極的に実施していく」と宣言した。

シャープ㈱スマート事業推進部主任の吉中恵美さんが、同社が7年前から販売する「防犯機能付き電話機」のデモンストレーションを実施。「出ていい電話」と「出なくてもいい電話」を分かりやすく信号機と同じ緑と赤で表示し、相手に音声を録音する警告アナウンスが自動で流れたり、万一、赤いランプで出てしまった際にも「迷惑ストップ」の赤いボタンを押すと「この電話はお受けできません」とのアナウンスが流れて切断されたりといった便利な機能を紹介した。利用者からは「不安がなくなった」「早く買っておけば良かった」などと好評とし、吉中さんは「被害者も加害者も出さないよう、県警や家電販売会社と一緒に普及させていきたい」と意気込んだ。

 

 

髙砂部長(中央)と共同宣言を手に5社の担当者たち