松坂氏が出馬表明 知事選へカジノ反対掲げ

共産党は12日、任期満了に伴う和歌山県知事選(11月10日告示、27日投開票)に、県常任委員で元和歌山市議の松坂美知子氏(65)を党公認で擁立すると発表した。県庁で記者会見した松坂氏は、県のIR(カジノを含む統合型リゾート)誘致は「火種が残っている」とし、反対運動に取り組んできた立場から「カジノ誘致を二度と言い出さない県政にしないといけない」と話した。

共産党は1991年以降、県知事選では県委員会が参加している市民団体「ゆたかで住みよい和歌山県をつくる会」が擁立した候補を推薦してきたが、今回は同会が擁立を断念したことを受け、87年以来35年ぶりとなる党公認候補の擁立に踏み切った。

松坂氏は和歌山市出身、お茶の水女子大学文教育学部卒。茨城県江戸崎町議、同県稲敷市議を歴任し、2011年から和歌山市議を2期8年務め、19年の県議選では次点で落選。市民団体「ストップ!カジノ和歌山の会」事務局として、IR誘致の反対運動に参加してきた。

カジノ問題以外では、農林水産業の振興、県内食料自給率の向上、子育て支援の充実などの政策を掲げ、「生きづらさを抱えた人がそのままに放っておかれることは絶対にないように、誰もが安心して暮らしていける和歌山をつくっていきたい」と述べた。

知事選には、元衆院議員の岸本周平氏(66)=自民、国民民主推薦=、政治団体「新党くにもり」元代表で元総務省職員の本間奈々氏(53)も立候補を表明しており、松坂氏が3人目。

 

知事選への立候補を表明した松坂氏