特殊詐欺を防止 郵便局員2人に感謝状

特殊詐欺被害を未然に防いだとして、和歌山北署は25日、和歌山市の松江北郵便局の中村直弘局長(38)と、福田和枝課長代理(53)に感謝状を贈った。

同署などによると9月8日午後2時20分ごろ、中村局長が同局のロビーで慌てた様子の80代の女性に声を掛けると、「100万円出せるか」と聞かれた。身分証明書があれば窓口で出せることを伝えると女性は帰宅。1時間後に再び来店し、窓口で50万円の出金を申し出た。中村局長が理由を確認すると「公衆電話で息子から連絡があり、救急車で運ばれがんが見つかり、手術代を立て替えてと頼まれた。財布や携帯電話は置き忘れて盗まれてしまったと言っていた」と答えたという。中村局長は、その内容から詐欺ではないかと疑念を抱き、福田課長代理に警察に通報するよう指示し、詐欺の被害を阻止した。

同署であった贈呈式で中村局長は「日頃から高額出金の場合は、何に使うか必ず聞くようにしている。詐欺を未然に防ぐことができて良かった」、福田課長代理は「お客さまのお役に立てて良かった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

阪口豊署長は「銀行や郵便局などの金融機関、コンビニ、地域の協力なくして水際対策は難しい。もし電話がかかってきたら必ず家族や周りの人に相談し、警察に電話をかけてほしい」と話した。

感謝状を手に中村局長(右から2人目)と福田課長代理(同3人目)

感謝状を手に中村局長(右から2人目)と福田課長代理(同3人目)