外国船テロ防げ 和歌山下津港で対応訓練
和歌山県や県警、和歌山海上保安部など8機関が連携し、テロ対応能力の強化を図る合同訓練が25日、和歌山市西浜の和歌山下津港であった。関係機関の約80人が参加し、対応手順を確認した。
2006年から実施している実践訓練。「和歌山下津港に入港予定の外国船に、テロリストが乗船している可能性がある」との情報があり、同船を接岸させたという想定で行われた。
訓練では、港湾危機管理担当官が関係機関に情報を伝達し、所要の措置を講じた。入国審査や手荷物検査を行っていると、船員を装ったテロリストが逃走。警官たちが、ナイフを振りかざす男を取り押さえて逮捕し、テロリストが残した不審物の処理作業の流れも確認した。
海上では海保、警察、税関の船3隻による不審船への対応訓練があり、巡視船「きい」や巡視艇「きいかぜ」も参加。不審船にスピーカーで停船命令を呼び掛け、警告弾を投げるも、無視して侵入してきたため、追跡し自動小銃の空砲を発砲して応戦、制圧してテロリストを逮捕するまでの対応を確認した。
終了後、和歌山海上保安部の山下雄一郎部長は講評で、「テロの脅威は今後増すことはあっても減ることはない。また想定もしなかった新たな形態の発生も懸念される。われわれ関係機関の事案対応能力を強化し、一層の連携をはかることが重要。地域と関係企業、団体の方々のご理解と協力が不可欠」と話した。