県外戦略に助言 和市が複業人材を登用

和歌山市は1日、県外への広報戦略について助言する「メディアリレーションアドバイザー」2人を登用した。㈱Another works(アナザーワークス、東京都)との連携協定に基づき、県内で初めて「複業」人材を活用する実証実験となり、業務期間は来年3月末まで。

同社は、地域貢献やスキルアップを目指す人の経験報酬や感情報酬も含めた「複業」の人材をマッチングするプラットホームを運営。市と9月に連携協定を結び、プラットホームを活用して広報戦略のアドバイザーを募集、登用する実証実験を行うことが決まっていた。

アドバイザーに選ばれたのは、構成作家の黒田一生さん(大阪府茨木市)と㈱wip取締役の神田沙織さん(岐阜県高山市)。1日、就任式がオンライン方式で行われた。

黒田さんは、テレビの情報番組や報道番組などを担当し、和歌山を含む関西各地を頻繁に取材する中、観光プランナーの資格を取得。「地方の活性化にメディアを通じてできることは何かと模索している中で応募した。和歌山は南部が取り上げられる機会が多いと思うので、もっと北部、和歌山市をPRできるようにしたい」と話した。

神田さんは、東京と高山の多拠点生活をしながら子育て中。これまでに子連れワーケーションなども企画している。「国内で改めて旅行しようと、目的地探しをしている人が多くいる。SNSやメディアを通していろいろな魅力の側面を打ち出すことで、和歌山に行こうと思っていなかった人でも知らず知らずに誘われてしまうような、楽しいきっかけづくりをしていきたい」と意気込みを語った。

2人は今後、主にオンラインで市と定期的にミーティングを行い、市の情報発信の方法などについて提案する。

市の犬塚康司市長公室長は「県外の人がより魅力的に感じる、効率的、効果的な市のPRに協力していただける」と期待している。

就任式に出席した黒田さん(画面上段左)、神田さん(同右)、犬塚公室長(手前)ら

就任式に出席した黒田さん(画面上段左)、神田さん(同右)、犬塚公室長(手前)ら