いけばな未生流 和歌山支部70周年記念展
華道の未生流和歌山支部創立70周年を記念した「いけばな展」が12日、和歌山市小松原通の県民文化会館で始まり、色鮮やかな伝統美が訪れた人の目を楽しませている。13日まで。
今展のテーマは「一輪・夢・未来」。小学3年生から80歳代まで会員75人の個性豊かな作品約60点が並ぶ。同支部展は8年ぶり。
キリシマツツジの曲がりを生かした肥原慶甫家元の作品や樋口林甫支部長のゴヨウマツなど、流祖の精神と花形を伝承する伝統の「格花」が厳かに迎えている。また、ラナンキュラスやオンシジュウムなど同じ色味のさまざまな花材を組み合わせてグラデーションを楽しむ作品や、秋の風情漂うホオズキと風船など異素材を融合させた独創的で動きのある力作も並ぶ。
展示室1室を使った大作は、暗室の中、上からつるした白いカニシダと和紙が風に揺られ、ふわりとそよぐ。下には、初雪カズラなどを浮かせた水槽が光できらめき、全体が浮かび上がったような幻想的な世界観が味わえる。同支部役員10人の合作。カニシダの浮遊感からインスピレーションを受けたという。
樋口支部長は「会員一同で作り上げた力作ぞろい。ぜひ楽しんでほしい」と笑顔で呼び掛けている。
午前10時から午後4時まで。問い合わせは同館(℡073・436・1331)。