近大和歌山が花園切符 高校ラグビー

第102回全国高校ラグビーフットボール和歌山大会の決勝が12日、和歌山市の県営紀三井寺公園陸上競技場で行われ、近大和歌山が和歌山工業を22―12で下し、2連覇を達成。12月27日から東大阪市の花園ラグビー場で開かれる全国大会出場を決めた。

◇決勝
近大和歌山 22(12―12、10―0)12 和歌山工業

両校が決勝で対戦するのは今回で9回目。過去8回中、5敗している近大和歌山だが、直近2試合では2連勝中。

バックスの展開力に勝る近大和歌山は開始1分、中央ラックからHB中井、BK岸主将が左へと展開し、BK森が左中央に先制トライ。HB森口がゴールを決めた。10分にもトライを決め、12―0とした。前半14分に和歌山工業が敵陣十㍍付近で相手の反則を機にラインアウトから連続ラックで前進。BK木村が左中央にトライを決めるなどハーフタイムまでに同点に追い付き、12―12で折り返した。

近大和歌山の田中大仁監督は試合後、「12―0になってから気の緩みがあった」と振り返り、「もうちょっと優位に試合を進められたと焦りもあったので後半は0―0のつもりでもう一度集中力を上げていこう」と声を掛けたという。その言葉通りに、後半は相手の反則からトライを重ね、再び近大和歌山ペースで進行。和歌山工業も敵陣深くまで攻め込むがトライには至らなかった。24分には近大和歌山が相手の反則からペナルティゴールを決め、花園への切符を手にした。

花園行きを決めた田中監督はサイドよりも50㌢下がるように徹底していたためオフサイドを取られずに済んだと選手たちを評価。「和歌山工業のフォワードの力強さは想像を超えてくる。いくら研究しても、その上を行くチーム」とし、「岸主将をはじめマークされていた選手たちがタックルに立ち向かってくれたのが勝因」とたたえた。花園では「チームはレベルチェンジ(レベチ)を掲げている。県大会を制したことでセカンドレベチに達した。12月中旬の練習試合でサードに上げて、花園ではファイナルレベチを達成したい」と意気込んだ。

和歌山工業の橋脇正典監督は「選手たちはキックをうまく使い、戦術通りに動いてくれた」と評価。粘り強い守備力を発揮し同点には追い付いたが、「後半15分からのミス連発が敗因」と肩を落とした。今後については、「5年連続で全国を逃しているので1、2年生が気負いせずにリベンジしてくれるだろう」と話し、競技場を後にした。

バックスの展開力でトライを重ねた近大和歌山

バックスの展開力でトライを重ねた近大和歌山