「鈴木家の一族」 劇団紀州が創作コメディー
3月に和歌山県海南市の藤白神社境内に復元完成する「鈴木屋敷」を題材にした演劇「鈴木家の一族」が28、29日の両日、同市且来の劇場「すわん江戸村」で上演される。鈴木一族の後継ぎを巡り、ドタバタ騒動を繰り広げる創作コメディー。劇団紀州のメンバーが、鈴木姓発祥の地で楽しい舞台を届ける。
同劇団では、団員それぞれの誕生日に、本人が企画提案した特別公演を行っている。今回は、昨年10月31日に誕生日を迎えた市川太仁志(たにし)さん(36)が、脚本やチラシの配布、プロデュースに至るまでを手掛け。
太仁志さんは、市にまつわる偉人や歴史をたくさんの人に知ってもらいたいと鈴木屋敷を題材に選んだ。「鈴木家の一族」は、鈴木姓の歴史を参考にした創作コメディーで、1年前から鈴木屋敷に関連する文献を調べ構想を温めた。
太仁志さん演じる主人公の鈴木許八(もとはち)は、鈴木家の次期当主なのだが、後を継ぐ気が全くない。そんな許八のやる気を出さそうと父親の鈴木重慶(しげひろ)とその兄、鈴木重房(しげふさ)が、ある作戦を計画する。
その計画は、偶然が重なり、ご近所も巻き込んだ大騒動に発展。てんやわんやのお家問題の結末はいかに。許八の心境に変化はあるのかないのか――というストーリー。
先の読めない展開や演者の掛け合いの面白さにも注目。太仁志さんは「狩衣(かりぎぬ)などの神官装束の衣装も見所の一つ。公演を通して、鈴木家の起こりや歴史を知るきっかけになれば。楽しんで見てください」と来場を呼び掛けている。
両日とも午後1時から、6時からの2部公演。前売り3000円、当日3500円。チケット購入は劇場すわん江戸村に直接来館か電話で。問い合わせも同館(℡073・482・5758)。