星林生との交流詠まれる 天皇陛下が歌会始で
新年恒例の宮中行事「歌会始の儀」が18日午前、皇居・宮殿「松の間」で行われた。天皇陛下は、2021年10月30日に和歌山県で行われた国民文化祭にオンライン出席し、県立星林高校吹奏楽部の生徒らと懇談した際のことを、「コロナ禍に友と楽器を奏でうる喜び語る生徒らの笑み」と詠まれた。
ことしのお題は「友」。天皇陛下の歌は、新型コロナウイルス対策で多くの制約がある中、星林高吹奏楽部の生徒たちが、距離を空けて練習したり、部室に入る人数を絞ったり、さまざまな創意工夫を凝らしながら演奏を続け、コロナ禍でも友達と一緒に演奏できる喜びを語った姿をうれしく思い、早く日常の生活が戻ることを願う気持ちを込められた。
天皇陛下と交流したのは3年生(当時2年)の有本昂史さん、近西椛さん、末永浩輝さん。同部顧問の森貞昌春さん(54)によると、3人は受験シーズン真っただ中に届いたニュースに驚き、「光栄です」「覚えていてくださり、歌の題材にしていただき、うれしい」などと喜んでいるという。
森貞さんは「コロナ禍はまだ続き、詠んでくださった『喜び』や『笑み』が少ない中、励みになりました。生徒の姿を前向きに捉え、希望を見てくださっているようで、うれしい」と話していた。
また、歌会始では佳作に、和歌山市の中尾加代さん(60)の「沖縄をふる里に持つ友がゐて時をり『本土の人』と言はれる」が選ばれた。