NOIがグランプリ 和市チャレンジ新商品

和歌山市内の中小事業者が開発した優れた新商品を市が認定し、PRなどの支援を行う2022年度の「チャレンジ新商品」に4事業者の4商品が選ばれ、最も評価の高かったグランプリは、NOI(ノイ、旭真友梨代表)が開発した洋服、和服のどちらでも着用できる新しい衣服「KIMONOWEAR」(キモノウェア)に決まった。19日、認定証の授与式が和歌山城ホールで行われた。

洋服にもなる着物 和歌山にこだわり
NOIは、老舗呉服店の若女将、旭さんが代表となって立ち上げた和歌山発のアパレルブランド。メリヤス産地である和歌山のニットをはじめとする素材を生かし、開発からデザイン、制作まで全てをメイドイン和歌山で行っている。

KIMONOWEARは上下二部式のトップス、ロングスカートに分かれており、洋服としても着物としても気軽に着て楽しめる。

経済団体や研究機関の代表らによる審査会からは、オール和歌山にこだわった事業である点、伝統文化である着物を身近な存在にするコンセプトなどが高く評価された。

チャレンジ新商品に選ばれたのはこの他、八木整体の「バランスベルト」、㈲三和金型製作所の「幸せのペーパーウエイト」、梅光園ワールド商会㈱の「『紀州ぶんだら漬シリーズ』つれもて来い恋いこらディナーCOOKIE」の3商品。

呼吸をしやすく バランスベルト
バランスベルトは、たすき掛けの中心に丸い突起物が付いた形状のベルトで、この突起物で下腹部の丹田を刺激することで腹横筋の活性化を促し、呼吸をしやすくする。マスクの着用で呼吸が浅くなりがちなコロナ禍のニーズに応える点などが評価を受けた。

多機能備えた文鎮 紀州漆器で美麗に
幸せのペーパーウエイトは、金属削り出し・メッキ加工による重厚感のある文鎮。外径5㌢のドーナツ状の重り4個が1セットで、ペン立て、印鑑立て、メモスタンドなどに使える他、重りを収める支柱はツボ押し器にもなる多機能ぶり。紀州漆器とのコラボにより蒔絵(まきえ)を施し、美麗で落ち着きのあるデザイン性も高評価だった。

新感覚の味わい 漬物を洋菓子に
「つれもて来い恋いこらディナーCOOKIE」は、大根と梅酢を使用した自社の漬物「ぶんだら漬」、梅ジャムをクッキーでサンドした菓子で、漬物を洋菓子に用いるという意外性と新感覚の爽やかな味わい、地元の産品をたっぷりと使用している点などが認定につながった。

授与式では、各事業者の代表に越智健吾副市長が認定証を手渡し、グランプリにはさらに賞状が贈られた。審査会委員を代表して、県工業技術センターの細田朝夫副所長が総評を述べた。

NOIの旭代表(38)は、夫の大介さん(37)と共にKIMONOWEARを身に着けて式典に出席。「全て和歌山のメンバーで作り上げているので、和歌山の賞を頂けるのはうれしい。製品を信頼してもらう上でもありがたい」とグランプリ受賞を喜んだ。

KIMONOWEARはインターネットショップやクラウドファンディングで販売している他、高野山、温泉地のみやげ物店などに販路を広げつつある。旭代表は「着物に関心を持ってもらうことはもちろん、和歌山のニットのクオリティー(品質)を前面に、世界に知ってもらえるようにしたい」と話していた。

グランプリを受賞した「KIMONOWEAR」を着用する旭真友梨代表㊧と旭大介さん

グランプリを受賞した「KIMONOWEAR」を着用する旭真友梨代表㊧と旭大介さん