過去最大の総額6138億円 県23年度一般会計
和歌山県の2023年度一般会計当初予算案は、総額6138億円(前年度比1・6%増)で過去最大規模となった。物価高騰に直面し、国庫補助金が縮減される中、新型コロナウイルス対策費294億円などを確保しつつ、収支不足による財政調整基金と県債管理基金の取り崩しは2年連続で回避した。13日開会の2月定例県議会に提案する。
岸本周平知事にとって最初の当初予算編成だが、今回は昨年12月の就任前から県庁内で検討し、積み上げられてきた事業をベースとし、大きな変更は行わず、農林水産業や観光の振興、子育て支援、脱炭素社会の推進など、公約の柱としてきた施策を拡充するなどした。
岸本知事の提案による新政策では、県内外で活躍している幅広い分野の有識者らが参加する「和歌山未来創造プラットフォーム(仮称)」を設置し、県の活性化につながる助言や提案などを県行政に活用する事業などが盛り込まれている。
■歳入
県税収入などの自主財源は2582億円で全体の42・1%を占め、依存財源は3556億円。
自主財源のうち県税収入は前年度比2・6%増の983億円で、景気回復の見通しなどで個人県民税が5・0%増の320億円、地方消費税が4・4%増の220億円などとなっている。
依存財源は、県税収入の増加などに伴い、地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な地方交付税が2・3%減の1836億円。国庫支出金は、新型コロナ対策などの減少により、6・4%減の988億円。
県債発行額は1・8%減の543億円で、県債依存度は0・4%減の8・8%。23度末の県債残高は、0・8%減の1兆792億円となる見込み。地方交付税で措置される臨財債を除くと、県民1人当たり81・6万円の借金となる。
県債管理基金と財政調整基金の取り崩しはなく、23年度末残高は合計209億円を見込んでいる。
■歳出
義務的経費は0・3%増の2234億円で、歳出全体の36・4%を占める。うち人件費は、退職者の減少などにより2・7%減の1320億円。県債の返済に充てる公債費は、5・8%増の717億円となっている。
政策的経費のうち建設事業費などの投資的経費は0・6%増の1036億円。内訳をみると、普通建設補助事業は、南紀・はまゆう支援学校の再編整備費などで2・9%増の586億円。普通建設単独事業は、伊都振興局大規模改造の完了などにより2・4%減の237億円。直轄負担金は、すさみ串本道路や有田海南道路の整備費などで1・1%減の146億円を計上している。
補助費等は、新型コロナ対策の減少などで1・7%減の1608億円。その他の歳出は、中小企業融資制度貸付金の増加などにより9・5%増の1261億円となっている。