4組が認定ブランドへ 加工食品コンテスト
紀の川市の生産農家と全国から募集したクリエイターが組み、市の新たな加工商品の認定ブランドを生み出すコンテストの発表会が、同市西大井の市役所で行われ、キウイ農家や柿農家の商品など4組のプロジェクトが優秀賞に選ばれた。
㈱MISO SOUP(東京都、北川智博代表)と市が昨年度から「Local Co-Creation Project(LCP)in紀の川」プロジェクトの一環で始め、今回が2回目。市は、両者がパートナーを組み、アイデアを出し合って商品化を目指すことが地方創生の柱になるとして、力を入れている。
プロジェクトには全国から55人のクリエイターから応募があり、書類審査と面接を経て選抜された7人と、11人のうち事業計画などの選考を経て選ばれた地元生産者7人が、昨年10月28~30日にかけて同市で行われた「共創キャンプ」に参加。フィールドワークを通して、生産者や同市を理解し、商品アイデアを磨いた。その後、マッチングした地元生産者とクリエイターがオンラインを中心に約2カ月かけて商品開発に取り組んできた。
この日のコンテストでは、各ペアが試作品を提供しながら商品の魅力や事業計画を発表した。
優秀賞に選ばれた四十八瀬紀ノ川ファミリーの中山英樹さん(48)と、東京のコピーライター塩谷泉太さん(38)は、キウイをまるごとセミドライにした、あんぽ柿のような「あんぽキウイ」を提案。中山さんは「地域を巻き込み、いろんな仲間が応援してくれて、小さい歯車が合いながら大きな時計が動き出してきたと実感している。これからも大きい展開を目指していきましょう」と笑顔。塩谷さんは「紀の川のまち自体が恵まれている場所。これからも質の良さを引き継げたら」と話した。
審査員を務めた北川代表は、「全体的に地域でこれをやる意味みたいなものをしっかり捉えて、そこに向き合い切れたところが選ばれた」とし「非常にハイレベルで差がなかった」と講評した。
優秀賞に選ばれた4商品は、市から最大100万円の補助を受け、商品化に向けて研究を重ね、来年に販売する予定。
この他、優秀賞に選ばれたのは次の皆さんの企画。
Kubo-Laboの高岡良さんとアートディレクターの古山萌美さんが開発したフルーツエールキット▽元ちゃんファームの小林元さんとクリエイティブディレクターの佐藤愛さんの自然・有機栽培の野菜のみで作られた水煮やスープの非常食▽まつばら農園の松原好佑さんと社会派料理コンサルタントの小鉢ひろかさん、アートディレクターの上田崇史さんが開発したヘタや芯、皮などを煮出して作ったベジブロス(だし)