和やかに春の一服 和歌山文協「渚研修茶会」
和歌山文化協会茶道部(永岡一惠部長)による「第1回渚(なぎさ)研修茶会」が5日、和歌山市の県民文化会館和室で開かれ、大勢がゆったりとしたひとときを楽しんだ。
同部は1972年から、社中の稽古の場として部員1人が主となり、会員や一般の来場者をもてなす「研修茶会」を毎年開催。昨年50回目を迎え一区切りとしたが、名称を変え、思い新たにスタートすることを決めた。
「寄せては返す波のように、穏やかな会に」との思いから「渚研修茶会」とし、記念の第1回は大西千代さん(78)が茶席を担当した。
大西さんが海南市の書家・杉下聖巖(せいがん)さんに書を教わっていることが縁となり、茶会の次第や茶道具を記す会記は杉下さんが担当。待合には、華やかな杉下さんのびょうぶや軸作品を飾って来場者を迎え、杉下さんも部員に交じって客人にお茶を提供する運び役を務めた。
参加者は、席主を務めた大西さんによる掛け軸などの調度品の説明に耳を傾け、茶道具を鑑賞。部員がたてたお茶を味わい、ユーモアを交えた大西さんとの会話で、終始和やかな雰囲気だった。
大西さんは「長引くコロナ禍で、ゆううつな日々を送ってこられた方も多いはず。堅苦しくなく、楽しく過ごしていただければと思いました。お席を持たせてもらって良い経験になりました」と笑顔。
この日は同所の他にも市内各地で茶会が催され、永岡部長は「春の訪れとともに、ようやくお茶の会も芽生えてきたように感じます。継続することが大切。気持ち新たに、この会を続けていければ」と話していた。