心癒やすウサギの絵 Ruiさん神社に奉納

和歌山市のイラスト作家、Rui(ルイ)さんが、干支(えと)の卯(う)にちなみ、自身がこれまでに飼ってきた5匹のウサギを1枚の絵(縦38㌢×横54㌢)に収め、海南市小野田の宇賀部神社に奉納した。

Ruiさんは、家族として共に過ごしてきた歴代のウサギや犬を主人公に、いじめや不登校、ひきこもりなどのつらい経験を絵本に託し、これまでに5作を出版している。

2017年に発刊した2作目の絵本『わすれないよ』の帯コメントを、同神社の小野田典生宮司が提供した縁もあり、同作にも登場するウサギの「りょうま」たちを描いた絵を今回奉納することに。

希望を意味する黄色をメインに、色鉛筆を使ってあたたかみのある色を意識したという絵には、雅楽の演奏や舞をする4匹のウサギと、その中心でほほ笑みながらみんなの願いを神にささげるりょうまが描かれている。

太鼓や笛の音、舞によって流れる巫女(みこ)装束などからも祈祷(きとう)の空気を感じてもらえるよう、グラデーションで工夫。Ruiさんは「いろんな願いが一つでも多く神様に届き、かなってほしい」と願っている。

不登校やひきこもりだった当時、「『この苦しみから救ってください』と神にすがる思いだった」と振り返り、「同じ立場の人やその家族の悩みや問題が、少しでもいい方に解決してほしいとのメッセージを込めました」とほほ笑む。

小野田宮司は「心が和む、癒やし効果のある素晴らしい絵を描いていただいた」と感謝。絵はこの日、宮司自ら選んだ「大丈夫、あなたは一人ではないよ。」の文字が添えられ、拝殿に飾られた。

絵の隣には力強い「生」の書が並び、小野田宮司は同神社ゆかりの小野田寛郎元少尉の遺した「暮らしの中に笑いを」とのメッセージとともに「訪れる人の心を癒やし、悩める人のなぐさめになれば」と話した。

 

奉納した絵を手にRuiさん㊧と小野田宮司