センバツきょう開幕 智弁は第2日に英明と

29年ぶりの春頂点へ―。第95回記念選抜高校野球大会は18日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。大会が中止となった2020年以来3年ぶり15回目となる智弁和歌山が第2日の19日、第3試合(午後2時開始予定)に登場する。初戦の相手は、5年ぶりにセンバツ出場を勝ち取り大会初勝利を狙う香川の英明。全国36校の頂点に向けて白星発進を狙う智弁の初戦の見どころを探る。

過去の春の大会では、1994年に初優勝を遂げた智弁。直近では2018年に準優勝し、19年は準々決勝に進んだ。近年は層の厚い投手陣で僅差の試合を制している。昨夏に出場経験を持つ青山達史主将(新3年)は「どの相手でも自分たちのやるべきことをやるだけ」と意気込む。

打線の注目は、「智弁の村神様」こと4番の中塚遥翔一塁手(新3年)。初戦敗退となった昨年夏の甲子園では8番右翼で大舞台を経験した。昨年秋の近畿大会で3試合連続本塁打を放ち、新チームの4番として定着。「点が欲しい場面で打ってこそ4番」と春で4番を打つことを秋の時点で意識していた。

入学当初に着けていた背番号は「55」。今でも練習着の背中には「55」番の数字が輝いている。中谷仁監督(43)も「55という数字はプロの世界でも左の強打者のイメージが強い。そんな選手になってほしい」と期待している。高校通算本塁打は17本と青山主将の30本には及ばないものの、この冬はスイングスピードがアップ。本塁打量産の準備が整いつつある。

智弁打線の初戦の相手は、手元で揺れる球で相手を惑わす下村健太郎投手(新3年)。最速128㌔と速くはないが、秋の香川大会の2戦目から四国大会の決勝まで7試合連続で2点以内に抑えた。中谷監督も「神宮大会に出るほどの投手」と警戒。下村投手の不規則な軌道に逆らわない打撃で立ち上がりから攻略したい。

守りのキーマンは、昨年の春季近畿大会から層の厚い投手陣の輪に入り、新チームでは目標だったエースナンバー「1」を手にし、先発が予想される本格右腕の清水風太投手(新3年)。中谷監督仕込みの縦に落ちるスライダーと持ち前の最速146㌔の直球で、スピード感あふれる英明打線をねじ伏せたい。

ことしは、アルプススタンドから智弁の全校生徒約1000人が声援を送る。中谷監督も「選手の後押しになる」と話すように智弁ナインにとって大きな力となる。

チームを引っ張る青山主将

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充実の冬を過ごした清水投手

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