アバターロボでかくれんぼ 和大付中生考案
和歌山大学付属中学校で、生徒が考案し、アバターロボットを使った「かくれんぼ」が行われ、2年生約140人が「隠す」と「探す」のそれぞれのチームに分かれ、制限時間内に見つけられるかを競った。
考案したのは、根来日依(ひより)さん(14)。昨夏、2022年度JKA機械振興補助事業の一環として行われたアイデアコンペに、写っている背景や音だけでどこに自分のロボットが隠れているかを仲間に探してもらい、特定の場所に連れて行ってもらう「かくれんぼ」の案を応募した。
既存の技術での実現可能性が高く、アイデアの発展も膨らむことなどが高く評価され、全国の小中高・特別支援学校の学生や教職員から集まった324件の中から見事、最優秀賞に選ばれた。
同事業は、NMDA(ニューメディア開発協会)が主体となり、iPresence合同会社(兵庫県神戸市)が企画運営している。
「かくれんぼ」を実施した日は、同社のクリス・クリストファーズ代表が同校を訪れ、「人と人をつなげるロボット」と題し、ロボットによる社会貢献について講演した。
クリストファーズ代表は14年に会社を設立する際、「100年後を想像した」と話し、「何かをやってみたいなと夢を持ったり、イメージしたりする『想像』と、それを形にし、実現していく『創造』の二つを大切にしていってほしい」と伝えた。
最優秀賞の副賞として、根来さんのアイデアを実現させるため、18台のアバターロボットTelepii(テレピー)を使ってかくれんぼを実施。生徒らは班ごとに見つからないようにテレピーを隠したり、背景などから場所を割り出して探したり、アバターロボットを使った初めてのかくれんぼを満喫した。
体育館では、AI搭載の自動移動型アバターロボットtemi(テミ)も登場。生徒らは、前の人についていく追従モードや遠隔操作、空間を読み取って地図を作るマッピングなどの機能を体験した。
根来さんは「実現するとは思っていなかったから、すごいびっくりした。楽しかった」とにっこり。田村拓海さん(14)は「日常の中から、こういうのあったらいいなというのを想像し、実現していてすごいと思った」と話し、クリストファーズ代表は「生徒たちの想像力をかき立てる一つのきっかけになれば」と願っていた。