業務の効率化で3割減へ 岸本知事が方針
和歌山県庁の業務改善について岸本周平知事は4日の定例記者会見で、不要な書類申請や非効率な業務が多いとし、業務量の3割削減に向けて知恵を出すよう、職員らに呼び掛けていると述べた。
改善すべき業務例として岸本知事は、庁外での短時間の打ち合わせに出掛けるのに、許可を求める書類を書き、上司の印をもらう必要があることなどを挙げ、「業務のルールが、職員が何か悪いことをするだろうという性悪説によっている。性善説に立って、業務を簡素化したい」と話した。
業務量削減の狙いについては、「県庁の仕事は県民を笑顔にすること。残業が多いと職員が笑顔にならず、県民を幸せにするような仕事はできない」と述べ、職員の残業を減らし、ワークライフバランスを改善すること自体が県の業務を充実させ、県民の利益につながるとの認識を示した。
本年度、総務部では実験的な取り組みとして、オフィスの中で固定の席を設けず、ノートパソコンなどを使って自分の好きな席で働く「フリーアドレス」を一部の課で導入する予定。この他、一つの業務を職員1人が担当することにより、休暇が取りにくいなどの課題があることから、チーム制で同じ業務を複数人が担当する取り組みも始める。
4月中に方向性 自然博物館移転
定例会見では、海南市の県立自然博物館を海岸部から市内の高台に移転する計画の見直しについても質疑があった。
岸本知事は、建設費や維持費が多額になる可能性があるとして課題の検討を指示。昨年度末に報告書が県教育委員会に提出され、内容を精査している段階だとし、4月中には見直しの方向を示すと述べた。