衆院和歌山1区補選 4人が立候補準備

衆議院和歌山1区補選が11日に告示される。次期衆院総選挙から県内の小選挙区は3から2に減少することが決まっており、和歌山市のみを選挙区とする現在の1区で行う最後の選挙となる見通し。悲願の県都の議席を目指す自民党と、県内初の国会の議席奪取をうかがう日本維新の会の対決を軸に、共産党、政治家女子48党も名乗りを上げ、4人での戦いが見込まれている。

立候補を予定しているのは、自民元職の門博文氏(57)、維新新人で元和歌山市議の林佑美氏(41)、共産新人で党県常任委員の国重秀明氏(62)、政治家女子新人で党職員の山本貴平氏(48)。

5期連続で非自民の議席を維持していた岸本周平氏の知事転出に伴い実施される補選で、岸田政権の中間評価となる衆参5補選の一つでもあり、全国的に注目されている。

1区補選は、告示まで2カ月を切った2月下旬まで、立候補予定者が1人も決まらない異例の状況だった。自民の候補者選びは難航し、当初は年明けにも決定が見込まれていたが、県連内の主導権争いの様相も呈する中、門氏の擁立で決着したのは2月18日のことだった。

3月上旬に維新・林氏、政治家女子・山本氏、共産・国重氏の出馬が相次いで発表され、立憲民主党の候補者擁立が実現しなかったため、4人による戦いの構図が固まった。

維新は、昨年7月の参院選比例区の得票で自民に次ぐ県内第2党に躍進し、県内初の衆院議員誕生に向け総力を挙げる構え。自民は、保守王国・和歌山で唯一、取りこぼしてきた議席の奪取を目指すが、候補擁立の際に生じた県連内のしこりの影響を懸念する関係者もいる。共産は、防衛費拡大などの動きから、自民、維新の双方を厳しく批判しており、支持拡大を図る。

23日の投開票に向け、12日間の戦いが幕を開ける。

立候補の届け出は11日午前8時半から午後5時まで、県庁北別館2階大会議室で受け付ける。

出陣式と有権者への第一声は、門氏が午前9時からJR和歌山駅前(美園町)、林氏が10時から市役所前(七番丁)、国重氏が9時半から和歌山城公園前交差点付近(一番丁)で行う予定。山本氏は選挙事務所などを設けず、出陣式も予定していない。