護憲・改憲、強く訴え 憲法記念日に集会
憲法記念日の3日、護憲、改憲それぞれの立場で活動する市民団体や政党などが和歌山市のJR和歌山駅付近で宣伝行動や街頭集会を行い、県民の憲法への関心を高めようと、道行く駅利用者や買い物客らに訴えた。
憲法9条を守る和歌山弁護士の会、戦争をさせない和歌山委員会、憲法九条を守るわかやま県民の会が呼びかけた宣伝行動は、近鉄百貨店前で行われ、立憲民主党、共産党の議員らを含む約100人が集まった。
呼びかけ団体の代表らがスピーチし、近年の政府・与党による集団的自衛権の行使容認、反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有を示した安全保障3文書の改定などを、解釈変更による「実質的な改憲の動き」であり、憲法尊重擁護義務がある国会議員が「憲法をないがしろにしている」と厳しく批判。ウクライナ情勢にふれながら、「どんな争い事でも、戦争だけにはしないことが政治の仕事ではないか」「平和憲法を守ることは生活を守ることに直結する」などと訴えた。
参加者は「平和憲法を未来へ!!」「改憲は戦争への道」などと記したプラカードや横断幕を手にし、平和への思いを込めた歌も披露された。
自民党県連「憲法改正実現本部」、美しい日本の憲法を考える県民の会、日本会議和歌山による憲法改正県民集会は、県JAビル前で開かれ、自民党議員や県連の政治塾塾生らが演説した。
自衛隊を憲法に明記し、国民を守る役割を規定すること、大規模災害や感染症の発生時などに国会が機能できない事態を想定した緊急事態条項の新設など4項目の改正案を紹介したチラシを配り、「現行憲法では解決できない課題が多くなっている」「変化に対応した日本をつくっていかなければならない」「4項目のどこがおかしいのか」などと訴えた。
ウクライナや北朝鮮の情勢など安全保障環境を巡っては、「憲法9条があるから日本が守られてきたのではない。自衛隊が守ってきた。憲法に明記がなく、違憲とするのはとんでもない」などと、護憲派とは対照的な主張がなされた。