電車内ニョキニョキ 緑化「たま電車」運行
「みどりの日」の4日、和歌山市と紀の川市を結ぶ和歌山電鐵貴志川線で、「たま電車」内を観葉植物で彩った特別仕様の「グリーンジャック号」が運行。乗客は植物に触れたり、興味深そうに見上げたりして、特別な空間を楽しんだ。
沿線の伊太祁曽神社で同日開かれたイベント「みどりの風」(同実行委主催)の特別企画。鉄道の利用を促進し、交流人口を増やそうと、実行委と和歌山電鐵のコラボレーションで行われた。車内を植物で飾るのは初めて。
天井からは植物や果実がつるされ、まるで森に迷い込んだかのよう。電車の振動に合わせ、緑のカーテンも右へ左へ揺られていた。
発券機の横に設置されたオーストラリア原産の希少品種、約2㍍のガイミアリリーは存在感たっぷり。窓際にはエキゾチックなプロテアやリューコスペルマム、グレビレアなどが並んだ。
神社でのイベントに向かうため乗車した和歌山市の飲食店経営、古居巧さん(44)は「植物を飾るのは、とても新鮮。わくわくしますね」、妻の和(のどか)さん(35)は「爽やかな香りも感じられ、伊太祁曽につながっているみたい」と楽しんでいた。
植物の空間装飾を手がけた紀の川市桃山町調月の「Rat Garden(ラットガーデン)」の大西清悟さん(37)は、自身も電車で会場へ。「特別車両と知らずに乗って驚く人も多く、皆さんに喜んでもらえたようで良かった」と笑顔だった。