シリアに薬剤師派遣 日赤の榊本さん出発式
2月6日にトルコ南東部で発生したトルコ・シリア地震の被災者を救援するため、日本赤十字社和歌山医療センター(和歌山市小松原通)の薬剤師、榊本亜澄香(あすか)さん(45)がシリアに22日から8月上旬まで派遣されることになり、19日に同センターで出発式が行われた。
被災地では、トルコ赤新月社やシリア赤新月社がそれぞれ主体となり、現在も救援活動が続いている。国際赤十字はシリア赤新月社が行う巡回診療を増強する目的で国際緊急救援チームを派遣しており、榊本さんは、すでに現地で活躍している小林映子薬剤師から活動を引き継ぐ。
22日に東京都港区の日赤本社で派遣前の事前説明と協議を行い、同日の深夜便で出国。シリアのダマスカスやラタキア、アラブ首長国連邦などで、医薬品や医療消耗品の適切な管理や現地スタッフへの指導などを行う。
山下幸孝院長は、「シリアは政情や内戦での不安もあると思うが、現地の人に喜ばれるような良い成果を上げてほしい」と激励。
中大輔国際医療救援部長は、「身の安全を確保した上での活動を忘れずに、元気に帰ってきてほしい。一つひとつ対応力の高さを見せて、体に気を付けて頑張ってほしい」と期待を寄せた。
榊本さんは、2015年のネパール地震、17年のバングラデシュの難民キャンプ、21年のハイチ地震での活動に続き、4度目の海外派遣。現地の法律などに基づいた薬の管理や提供が使命だといい「笑顔を増やしたい。私たちができることはほんの少しだが、少しでも元通りの生活に戻れるようになれば」と意気込んだ。