朝日レガッタ優勝 ボート中学女子ペア
5月3~6日に滋賀県で開かれた関西ボート連盟など主催の「第74回朝日レガッタ」で、和歌山ローイングクラブ(和歌山市湊)の秋月美桜さん(開智中)と尾白福さん(楠見中)の中学2年生ペアが中学女子ダブルスカルの種目に出場。直線1000㍍のレースに挑み、4分36秒09を記録して優勝に輝いた。
2人は小学5年時にトップアスリートを育てる県の「ゴールデンキッズ」に選ばれ、体験プログラムで初めてボートをこいだ。その時に感じた風の気持ち良さや楽しさから昨年、中学進学を機に同クラブに入部。
ペアを組んで初めて出場した4月の大会「第68回中日本レガッタ」(愛知県)では、首位でスタートを切ったものの途中で抜かれてしまい、惜しくも2位に終わった。
首位を狙っていたとはいえ、「初出場で2位」という結果に喜びも大きく、会場では思わず「やったあ」と叫び、ハイタッチを交わした2人。大会後はこの時の悔しさをバネに、堅田哲也監督(66)の指導のもと、週3~4日、一日3時間の練習で往復10㌔を超える距離をこいで力をつけてきた。
「全力を尽くして優勝」を目標に臨んだ今大会は、西日本で最も大きな大会。同種目には琵琶湖をホームとするペアが多く出場しており、向かい風が強く吹く中、行われた予選では4艇が競った。
2人は普段通り、思い切ったスタートに成功し、追いかけられる展開に。2位が競り上がってくるも、秋月さんが「足けり行こう」、尾白さんが「さあ行こう」と声をかけ合いながら、足に重心をかけて強くこぎ、首位をキープした。
予選を1位通過し迎えた決勝には5艇が出場。堅田監督から「焦らずにいこう」とアドバイスを受け、最初からスピードを上げ過ぎず、相手の疲れが出始める600㍍ぐらいから足けりを入れた。700㍍ぐらいからは1分間にオールをこぐストローク回数を上げて一気にラストスパートをかけ、2位を約3秒離して優勝した。
「うれしかった」と笑顔で振り返る2人は、勝因について「練習をいっぱいしたこと」とにっこり。声をかけ合い励まし合う、前向きで「いいペア」と互いをたたえ、「日本一になりたい」と気持ちを一(いつ)にする。
堅田監督も「身体能力や理解力が高く、来年の夏には日本一を狙えるペア」と期待。姿勢を崩さず、大きく強くこげるように体幹トレーニングにも励んでいるといい、尾白さんは「トレーニングの意味を理解して、一つひとつのトレーニングをこなしていきたい」と意気込む。また、ボートの魅力については「乗ってやんとあんなきれいな空は見れやん」と笑顔。秋月さんも「水平線から見る空って大きく見える」と話し、2人は「日本一」という次なる目標に向かって、大空の下でオールをつかみ、紀の川を強く大きくこぎ進んでいく。