災害想定し避難所運営 海南市職員が研修

海南市は大規模災害発生時、避難所運営をスムーズに行うため、和歌山県が作成した「きいちゃんの災害避難ゲーム」を活用した避難所運営研修会を5月29日、同市役所(南赤坂)で開いた。

市は本年度、避難所開設にあたる職員を対象に職務が円滑に行えるよう実施。この日は34人が参加し、それぞれボランティア班長や総務班長など決められた役割になり、課題を解決していった。

危機管理課の井上卓哉主事(26)は「災害時には高齢者や障害のある人、乳幼児への対応の他、時系列で発生する課題などに対応する必要がある。積極的な意見を出し合い、ゲームを通じて一つでも経験を積んでもらえたら」と呼びかけた。

ゲームは、12月12日午前4時、マグニチュード8・7、震度6強の地震が発生したとの想定で実施。職員らは避難所となる小学校での運営策を考えた。

災害発生1日目、電気、ガス、トイレは使用できない状況で、12問の課題について20分以内で対応策を検討し、「受付でどのような情報を記入してもらうべきか」、「喫煙場所はどこにすべきか」「授乳スペースは」などを決めていった。

2~3日目は、「福祉スペースの確保」や「不足している物資は何か」などについて、意見を出し合った。

4日~2週間では「ボランティアにしてもらいたいこと」や「在宅避難者が食料を分けてほしいと依頼してきた場合」などを想定。課題について都市整備課の谷田紘杜さん(26)は「選択を迫られたときに優先順位を決めるのが難しかった。万が一の場合は、現場の声を聞いて判断を誤らないように一番良い選択をしたい」と振り返った。

 

意見交換しながら対応策を考えた