和歌山ゾーンディレクターに吉本氏 関西万博
和歌山県は8日、2025年大阪・関西万博で出展する和歌山ゾーンの出展基本計画を発表。新たに出展コンセプトとして「〝上質〟のつまった和歌山」を掲げ、同ゾーン構築総合ディレクターには和歌山市出身で東京大学・先端科学技術研究センター特任准教授の吉本英樹氏(37)が就任した。
県は先月10日に同ゾーンの基本方針を発表。出展テーマは「和歌山百景―霊性の大地―」とし、映像のタワー「トーテム」を配置して自然、人、産業、食、文化など多彩な魅力を発信する他、伝統芸能のパフォーマンスや飲食可能なカウンターバーの設置を計画している。
今回の基本計画では、トーテムの詳細やユニバーサルデザインについて明記し、万博終了後にトーテムを県内施設に移設して観光客誘致に活用していくことも盛り込んでいる。集客目標は30万人。
岸本周平知事は会見で「基本計画はベストなものができた。県民総出で万博に参加して、和歌山の魅力を再発見してほしい」。吉本氏は「和歌山には上質なもの、ほんものがたくさん詰まっている。和歌山の魅力を五感で感じられる空間にしていきたい」と意欲をみせた。
吉本氏は2010年に東京大学大学院修士課程(航空宇宙工学)、16年に英ロイヤル・カレッジ・オブ・アート博士課程(デザイン工学)を修了。15年にロンドンでデザインスタジオ「Tangent」を設立。現在、岸本知事が立ち上げた「和歌山未来創造プラットフォーム」の文化・芸術ワーキングチームリーダーも務めている。