若い力で復旧後押し 近大生がボランティア

台風2号による大雨の影響で被害を受けた海南市や紀美野町では、各地から集まったボランティアによる支援活動が続いている。紀の川市西三谷の近畿大学生物理工学部の学生と教職員36人も10日、ボランティアに加わり、畳上げや泥かきなどの作業に汗を流した。

同大学は、学生が自主的に災害ボランティアとして活動するきっかけになればと、同市に同学部の付置研究所、先端技術総合研究所があることから、同研究所から有志を募集した。

同大学は、これまで全国のキャンパスで参加者を募り、「チーム近大」として災害被害地域での復興に向けた支援活動をしている。2011年の台風12号による紀伊半島大水害の際もボランティア活動を行った。

この日、メンバーらは7カ所に分かれて作業。床上浸水の被害に遭った同市日方の嶋田郁子さん宅では、学生9人が12畳と物置の部屋のぬれた畳を運び出し、畳の下に敷いていた床板50枚以上をはがし、一枚ずつたわしでこすり洗い、さらに床下に流れ込んだ泥をかき出していった。

嶋田さんは「水を吸った畳は重くて1人では運べない。かがんだ姿勢で泥をかき出す作業もきつい。若い力を貸してくれて本当にありがたい」と感謝した。

同学部4回生の古賀昂一郎さん(21)は数年前、九州の実家が大雨で浸水したといい「あの時は帰れず、大変だったと聞いていたので今回参加しようと決意した。テレビで見る以上に現場は大変。被災者の求めていることは何かを意識して作業した」と話し、生物理工学研究科生物工学専攻の修士2年、片岡将吾さん(24)は「和歌山の人にお世話になっているので少しでも役に立てれば。泥をかぶって何か分からないものが多いが、被災者の大切な物なので丁寧に扱うよう心がけた。災害は身近に起こるのだと実感した」と話した。

懐中電灯で照らしながら作業

懐中電灯で照らしながら作業