景況2期連続マイナス 財務事務所4~6月
近畿財務局和歌山財務事務所は、法人企業景気予測調査(5月15日時点)の結果を発表した。県内企業の4~6月期の景況判断BSI(前期比「上昇」から「下降」を引いた指数)は前期のマイナス12・0からマイナス8・2に上昇したが、2期連続のマイナスとなった。先行きは、インバウンドの需要増加が見込まれることなどから、プラスに転じる見通し。
産業別BSIは、製造業がマイナス21・1(前期マイナス15・0)に下降、非製造業が0・0(同マイナス10・0)に上昇した。
先行き見通しは、全産業で7~9月期が11・3、10~12月期が9・3に上昇が見込まれている。
規模別BSIは、大企業(資本金10億円以上)が18・2(前期25・0)に下降、中堅企業(1億円以上10億円未満)はマイナス14・7(前期マイナス25・0)、中小企業(1000万円以上1億円未満)はマイナス9・6(前期マイナス12・5)に上昇した。
規模別の先行き見通しは、7~9月期で大企業が0・0に大きく下降する一方、中堅企業は20・6、中小企業は7・7に大幅に上昇。10~12月期は、大企業が9・1に上昇、中堅企業は20・6で横ばい、中小企業は1・9に下降すると見込まれている。
企業からは、「エネルギー価格の値上がりにより、収益が圧迫されている」(鉄鋼)、「感染症の影響が少なくなったことから、宴会の予約も増えてきており、売上が増加している」(宿泊・飲食サービス)、「外国人観光客の増加により、土産物の需要がさらに高まるとみている」(食料品)などの声がある。
雇用情勢は、6月末時点の従業員数判断BSI(「不足気味」から「過剰気味」を引いた指数)が全産業で31・3(3月末時点34・3)で、「不足気味」超の幅はやや縮小。全産業の今後の見通しは、9月末時点が30・2、12月末時点が26・0で、幅は縮小しながらも「不足気味」超が続くとみられている。
全産業でみると、2023年度の売上高は3・2%の増収、経常利益は62・6%の増益、設備投資は0・5%増を見込んでいる。
調査は県内に本店がある資本金1000万円以上の法人(電気・ガス・水道、金融・保険業は1億円以上)110社を対象に実施し、97社(回収率88・2%)から回答を得た。