日本の伝統文化に触れて 6カ国11人が浴衣体験

和歌山県内に住む外国人に日本の伝統文化を体験してもらおうと、和歌山市の着物愛好家、西島レイ子さん(80)ら着付けボランティア5人が14日、和歌山ビッグ愛(和歌山市手平)8階の県国際交流センターで6カ国10人の外国人に浴衣を着付けた。

同センターで日本の伝統文化のボランティアを務める西島さんが提案し、県在住の外国人が日本語を学ぶ「おはようクラス」のイベントとして実施された。

10年以上続く同クラスは、ボランティアの日本語教師らによって毎週金曜の朝に開かれている。コロナ禍以前は、日本の伝統文化を体験できるイベントなども開かれていたというが、浴衣の体験は今回が初めて。

1学期最終日のこの日、教室には色とりどりの浴衣姿の生徒らが集まり、華やかな雰囲気の中で日本語を学んだ後、西島さんらを招いてティーパーティーも開かれた。

西島さんは浴衣について、かつて入浴時に着用していた着物を「湯帷子(ゆかたびら)」といい、その後、江戸中期ごろから裸で入浴するようになると湯帷子が次第に夏の着物の「浴衣」となり、入浴後の外出着になったことなどを紹介。

「着物を難しいと思わないで、浴衣体験を何回もしてください。ぜひ着物も着てみてくださいね」と呼びかけた。

初めて浴衣を着たという、中国出身のライ・チンさん(53)は「すごくかっこいいし、気持ちいい」、フランス出身のメリダ・ブルネーさん(31)も「かわいい。自分でも買いたい」と笑顔。

西島さんは「日本で生まれ育った私たちにとって当然のことでも、外国人が『こんなところがいいな』と思う日本の文化をリクエストしてもらい、それをさまざまな形で体験していってもらえれば」と話した。

浴衣を着付けていく西島さん㊧

浴衣を着付けていく西島さん㊧

 

日本の伝統文化を体験した皆さん

日本の伝統文化を体験した皆さん