地域医療の担い手激励 県立医大生と知事懇談

和歌山県立医科大学の県民医療枠、地域医療枠の1年生30人と岸本周平知事の懇談会が和歌山市のダイワロイネットホテル和歌山で開かれ、岸本知事は「和歌山ラブ(愛)を育んでもらい、県民の命と暮らしを守ってもらいたい」と、未来の和歌山の医療を担う学生たちを激励した。

県立医大は現在、募集定員100人のうち、卒業後9年間、県内の地域医療に従事することを条件とする県民医療枠として20人、地域医療枠として10人を設置。本年度からは、県民医療枠のうち5人を活用し、産科に限定した枠、産科・小児科・精神科のいずれかに従事する不足診療科枠を設けている。

懇談会には県側から岸本知事と雑賀博子福祉保健部技監が出席。学生は一人ずつ自己紹介し、「手術適応外のがんを治療できる内科医を目指す」「子どもの頃の病気で親身になってくれた医師のような小児科医になりたい」などと将来の目標を語った。

岸本知事は「失敗を恐れる必要はない。いろんな挑戦をし、価値ある失敗をして、一回りも二回りも大きくなって和歌山の医療を守っていただきたい」と学生たちに期待を寄せた。

質疑応答では、1年生のカリキュラムに一般教養が多く、もっと早く医学を学びたいとの学生の意見に対し、米国の大学で教員の経験がある岸本知事は、「リベラル・アーツ」と呼ばれる一般教養を担当する教員が米国の大学では重要視されていることや、教養を学ぶ大切さについて、自身が学生時代を終えた後に強く感じるようになったことを話し、「さまざまな患者を診察していくときに役に立つのはリベラル・アーツではないか。学び続けなければいけないことだと思う」と語りかけた。

海南市出身で地域医療枠1年の山本晏さん(18)は「どんな患者でも診ることができるよう、医学全般を学び、その上で突出した専門的な技術を持つ医師になりたい。知事は質問にちゃんと納得できる答えをしてくれて、ためになった。医学以外のことも身に付けていきたい」と話していた。

 

県民医療枠、地域医療枠の1年生と懇談する岸本知事㊨