世界の防災教育語り合う 和大で留学生ら

和歌山大学(和歌山市栄谷)の留学生と同大災害ボランティアステーション「むすぼら」のメンバーによる「世界の防災教育を語り合う会」が20日、初めて同大で開かれ、11カ国13人の留学生と5人のむすぼらメンバーが参加。各国の異なる防災教育の紹介や、日本で災害時に困ったこと、いつ起こるか分からない災害に備えておくべきことなどを学び合った。

6月の豪雨後、留学生から同大日本学教育研究センターに災害情報の取得や災害時の行動について学びたいと申し出があったことから、同センターとむすぼらが協力し、同イベントを企画。

システム工学部の3回生、マレーシア出身のファティマさん(22)がハラール対応の手作りパスタや寒天ゼリーを用意し、昼休憩の時間を活用したランチミーティング形式で開かれた。

留学生らはグループに分かれ、むすぼらメンバーと共にランチを楽しみながら「インドは洪水が多いけど、防災グッズを入れたかばんは準備していない」「中国にも避難場所はあるけど、ほとんどの人が知らない」など、自国の防災教育について話した。

また、留学生からは「防災グッズはどこに売っていますか」といった質問や、「警報についての放送が分かりづらい」といった意見も上がり、どういった情報が不足しているのかを知る機会にもつながった。

インド出身のルタさん(25)は「日本のように前もって防災用品をかばんに準備しておくと役立つと思った」とにっこり。ファティマさんは「日本にいる間に防災について学び、自国に持ち帰りたい」と話した。

むすぼらの世話人を務める同大の西川一弘教授は「避難訓練や起震車の体験や、ゆくゆくは教育カリキュラムとして学んでもらえるようになれば」と期待。

むすぼらメンバーの一人で、経済学部3回生の松本麟太郎さん(21)は「海外と日本では避難の仕方が違うことにびっくりした。(6月の)大雨の時に情報がなかったことにも驚いたし、心配になった」と話し、「これからも日本の災害での教訓を、いろいろな国の人に伝えていきたい」と意気込んでいた。

防災について語り合う参加者たち

防災について語り合う参加者たち