コロナ禍前の8割超に回復 22年県内観光客
2022年に和歌山県内を訪れた観光客総数は2913万8000人で、前年比17・1%の大幅増だったことが県の観光客動態調査(確定値)で分かった。史上最高を記録したコロナ禍前(19年)の3543万3000人に比べるとまだ17・8%少ないが、8割を超えるまでに回復しており、特に10月の水際対策緩和以降はインバウンドの堅調な回復がみられた。
県によると、22年の観光客総数のうち日帰り客は2483万5000人(前年比15・5%増、19年比17・0%減)、宿泊客は430万3000人(同27・2%増、21・8%減)となった。
新型コロナウイルスの影響が続き、まん延防止等重点措置の区域指定、6月にかけての急激な感染拡大などがあった一方、リフレッシュプランSの県民割やブロック割の展開などの施策により、少しずつ回復に転じた。
特に夏季は3年ぶりに行動制限がなく、京阪神を中心とした他府県からの観光客も多く見られた。好天に恵まれ、台風の影響が少なかったこともあり、花火などのイベントが各地で開催されたことが一因となり、宿泊、日帰り、総数とも前年を大きく上回った。
外国人宿泊客数は4万1482人泊で、過去最高だった19年の50万1844人泊に比べると91・7%減だが、前年比では7・5倍の急激な回復となり、10月の水際対策緩和の効果が現れている。
国・地域別のシェアは、アジアが60%、欧米豪が32・4%、その他が7・6%で、アジアでは香港が最も多い21・6%。主要観光地別では、「和歌浦・紀三井寺・和歌山城他」が9623人泊で最も多く、「白浜温泉・椿温泉」が9401人泊、「高野山」が8072人泊で続いた。
県内7カ所の主要観光地の入り込み状況をみると、和歌山市では、県のリフレッシュプランSや全国旅行支援に加え、7月から市が実施した「宿泊・日帰りとくとくプラン」により観光需要が増え、総数で21・0%増の562万9000人となった。
白浜温泉・椿温泉では、白良浜海水浴場での「本州で一番早い海開き」や分散型の花火イベントの実施により、夏季の日帰り客はコロナ禍前の水準を超えた。
勝浦温泉・湯川温泉でも、3年ぶりに「那智の扇祭り」が行われた影響などで、夏季の入り込みはコロナ禍前を上回るまで回復した。
和歌山市以外の主要観光地の総数は、高野山132万5000人(前年比12・0%増)▽龍神温泉・護摩壇山37万人(同28・6%増)▽白浜温泉・椿温泉285万2000人(同16・1%増)▽串本155万人(同35・5%増)▽勝浦温泉・湯川温泉130万5000人(同12・2%増)▽熊野本宮温泉郷124万6000人(同30・3%増)――だった。