地域の子どもと交流を 廃材スポンジで工作
地域の子どもたちと交流を深めようと、和歌山市中之島で在宅ケアなどを行う社会福祉法人しあわせで5日、スポンジ廃材を使った工作教室が開かれた。小学1~6年生の児童14人が参加し、スポンジで本物そっくりのメロンパンとショートケーキ作りを学んだ。
2019年から始まった取り組みで、今回で5回目。流しそうめん、クリスマス工作など毎年夏と冬に交流イベントを行ってきたが、新型コロナウイルスで3年間中止していた。
同法人地域交流推進室の今井大輔室長(47)によると、これまでの開催時には「次は何するの?」と楽しみにする子が多かったが、3年も開催できなかった間に参加していた子どもたちは卒業してしまい、「もう子どもたちとのつながりをつくり直すのは難しいかも」と思っていたところ、海南市小野田でキッチンスポンジなどを製造する㈱アイセンから「スポンジの廃材を福祉の現場で活用できないか」という提案があったという。同室の岩尾名子さん(55)がスポンジでできることを調べ、試作品を用意。「これは楽しめそうだ」と教室を開くことにした。
アイセンはことしからSDGsに関する取り組みを強化。製造過程で出る廃材や、規格外で販売できないキッチンスポンジを学校、福祉施設、公民館などで活用してもらおうと白浜町に寄贈するなどの取り組みを行っている。
この日は、同社事業戦略室の中西茂樹室長(44)が、スポンジを作る過程を紹介し、廃棄となる部分を説明。日本や地球で起きている問題、地球のために何ができるかについて話した。
工作教室では、丸く切ったスポンジを特殊な粘土で包み、色を付けたメロンパン、イチゴなどを接着剤で貼り、ショートケーキ作りに挑戦。児童らは真剣な表情で自分好みのおいしそうな作品を作っていた。
7歳と11歳の息子と参加した川島まきさん(43)は「まるで本物を作っているようで子どもたちは夢中で楽しんでいた。夏休みにまだ、どこにも連れて行けていないので、こういう機会はうれしい」と笑顔。中西室長は「笑いながら作っている姿を見てうれしかった。これからも子どもたちと一緒に学ぶ活動を続けていきたい」と話した。