女声合唱団ミモザ 初の全国大会出場へ

和歌山市の女声合唱団Mimosa(ミモザ)は、26、27日に兵庫県姫路市で開かれる「第46回全日本おかあさんコーラス全国大会」(全日本合唱連盟など主催)に、県代表として初出場する。メンバーは、歌える喜びをかみしめながら、印象に残る歌声を届けたいと練習に励んでいる。

同大会には全国から68団体約3000人が参加。選考委員は上田真樹(作曲家)、覚和歌子(詩人)、川上洋司(声楽家)、長谷川冴子(合唱指揮者)、平井秀明(指揮者)が務める。

ミモザは2016年に結成。30~70代のメンバー14人が同市布施屋の河南コミュニティセンターなどで練習を行っている。6月に11団体が参加した関西支部和歌山大会で代表の座をつかんだ。発表を聞いた瞬間、メンバーは悲鳴を上げるほど驚いたという。全国大会では、「せかいのなかで」「私はちっとも悪くない」を歌う。

ミモザの代表と指揮を務めるのは、子どもの頃から音楽が身近だったという阪本健悟さん(42)。3歳からピアノを習い、智弁和歌山中学、高校では吹奏楽部で活動。野球部が甲子園で優勝した時、トランペットを吹くのを忘れるぐらい熱くなったのが一番の思い出だという。同志社大学に進学し、楽器を使わず体で表現できることに魅力を感じ、合唱団に所属した。

卒業後、和歌山に戻り音楽活動はしていなかったが、恩師からの勧めで2007年に混声合唱団アンサンブル・ミカニエを結成した。「女声もやってほしい」という声が多かったことから「Mimosa」が結成されたが、SNSでメンバーを募り、集まったのはほとんどが未経験者。阪本さんの指導のもと練習を重ね、少しずつ成長を遂げていった。

20年に紀の国わかやま合唱団を結成するなど、長く合唱と関わってきた阪本さんが大切にしているのは、「曲が喜ぶ表現」をすることと、日本語を美しく歌うことだという。

「同じ文字でも表現は違う。悲しいの『か』は子音を強めに出し、かわいいの『か』は子音を柔らかく出すと感じ方が全く違う」という。 コロナ禍で「こんな時に合唱するの?」と言われ続け、疲れたこともあったが「大会では合唱できる喜びを表現したい」と阪本さん。メンバーは「大きなステージで全国の人の前で楽しく気持ち良く歌ってきたい」と笑顔で話している。

全国大会に出場するミモザのメンバー

全国大会に出場するミモザのメンバー