南海トラフ地震想定 和歌山市が災害対応訓練

関東大震災の発生から100年となる「防災の日」の1日を前に、和歌山市は8月31日、同市八番丁の消防庁舎6階災害対策本部室で、南海トラフ巨大地震の発生を想定した防災訓練を行った。訓練では、市職員が大地震発生時の初動期における、災害対策本部と関係部局の対応を確認。避難所の開設や運営への呼びかけも想定し、防災体制の充実と強化を図った。

訓練には、危機管理局の23人と、企画政策部や総務部、市民部、消防局などから16人の計39人が参加した。危機管理局の亀井利昭局長が指揮を執り、各班が協力して対応。発生後3時間以内に行われる、第1回本部員会議の直前までの流れを確認した。

訓練は、午前9時に県沖を震源とした、マグニチュード9・1、和歌山市で最大震度7を観測し、大津波警報が発表され、沿岸の一部で浸水被害が発生したなどと想定した。震度や、津波、停電、けが人、河川の水位などの情報は頻繁に共有され、大型モニターでは、加太、浜の宮、磯ノ浦、片男波の様子が映し続けられた。磯ノ浦と浜の宮の逃げ遅れたサーファーに向けての対応なども想定された。

職員らはヘルメットを着用し、各班に分かれて対応した。応聴班は市民からの第一報を受け、道路河川班は道路や河川の異常についての情報を管理。避難所統括班では、避難所開設についての指示、気象情報収集班は、主に気象台からの津波の到達時刻や河川の水位などの情報収集と共有を行った。

亀井局長は訓練を終えて、各対策部が実災害を想定しながら動いてくれたとし、「見えた課題や気付きを共有して一つにし、各部の動きを考えていきたい」と話した。市民に向けては、「家で備えている物やハザードマップを見て、いざというときの動きを考えて、普段から備えてほしい」と呼びかけた。

危機管理局では、市内103カ所の避難所の備蓄品の維持管理や、防災行政無線の確認、防災マップの作成や啓発活動などを日頃から行っている。

 

協力して対応する職員ら