魅力ある観光地域づくり ドローンやIT活用にも注目

鶴保 庸介

9月とはいえ、まだまだ暑い日が続きますが、皆様お元気にお過ごしでしょうか。
8月21日よりJR紀勢本線(きのくに線)のサイクルトレインの和歌山駅~御坊駅間での延伸実証実験がスタートしました。従来の御坊駅以南も合わせて、事実上、和歌山駅から新宮駅までのどの場所においても自転車をそのまま電車車両に持ち込んで、目的地の駅で降りて自転車に乗ることができるようになりました。これにより大阪方面からのサイクリストの増加が期待されます。
また、私たちの生活の利便においても、たとえば御坊あたりから和歌山駅まで自転車を電車に乗せて、そのまま和歌山市内を走るということも可能なのです。それぞれの目的にあった自転車活用方法を考えていただければ、社会実験としてのこの試みも大いなる果実を得られるはずとJRの担当者には聞いています。
こうした「観光」による地域おこしの取り組みは全国で広がっていますが、私が国土交通省の観光担当副大臣だったころに発起人となって、観光地としての悩みを共有する目的で「世界遺産サミット」をスタートしました。世界遺産が所在する自治体の首長等が一堂に会し、世界遺産の保全や観光面における活用について意見交換し、地域間の連携を深めるとともに、世界遺産の魅力を広く発信するものです。平成26年に第1回を京都市で、翌年には和歌山県で開催し、10回目となる今回は、来る10月下旬に奈良法隆寺の世界遺産地域において開かれる予定です。我々和歌山にとってはお隣の県ということもあり、慣れ親しんだ地域かもしれませんが、これを機会に皆様もぜひ奈良へ出かけていただければと思います。
今回のサミットでも、オーバーツーリズム対策、トイレなどの観光客の利便性向上、点ではなく面(エリア)としての観光振興のための方策等が議論される予定です。また目新しいものとしては、ドローンやITなど新技術を活用して、観光の利便性にどう活かすかも注目の一つです。
全国的に人口減少が課題となる中、地域での人口を増やすためには、実際に一度、訪れてもらうことも重要です。私たちの故郷、和歌山も例外ではなく、パンフレットを見て机の上だけで和歌山に移住を決めるなどという人はごく稀でしょう。その意味で魅力ある観光地域づくりは単に交流人口を増やし、景気を良くすると言うだけでなく、将来の和歌山のまちづくりに大いなる弾みをつけるものと期待しています。

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