「天空和牛」が誕生 松牛オリジナルブランド

和歌山県岩出市野上野の精肉店、松牛(松下隆紀店主)に熊野牛オリジナルブランド「天空和牛」が誕生した。「天空の村」と呼ばれる紀の川市平野の西口畜産と西岡畜産の2軒のみで生産するため品質が安定し、30カ月以上の長期肥育などにより、深みのある味わいが実現。7月の販売開始以来、消費者から好評を得ている。

松牛の店主、松下隆紀さん(50)が熊野牛を畜産する農家の中から2軒を選び、生産が始まった。2軒は標高約600㍍に位置し、澄んだ空気やミネラル豊富な湧き水などの、豊かな自然の下で、牛へのストレスの少ない飼育を行っている。

2軒のみの生産なので品質も安定し、畜産農家が分かるので安心して食べられる。長期肥育にもこだわり、一般的な和牛の月齢が27~28カ月のところ、天空和牛は30カ月以上かけて肥育。生きた中で味が熟成され、黒毛和牛の中でも脂身がしつこくなく、かみしめて味わうことができる。

西口畜産の西口寿一さん(38)は、「まずは自分の舌で味わって、こだわりを感じてほしい。誰が食べてもおいしいと思うものを目指している」と言い、西岡畜産の西岡将彦さん(43)は、「市場の流行の変化などにも臨機応変に対応していきたい。天空和牛ならではの、おいしさを味わってほしい」と話している。

松下さんは、「地元の人だけでなく、全国のお客さんに『おいしい』と言ってもらいたい。より満足してもらえるように、ハイクオリティーなお肉を提供していきたい」と意気込んでいる。

天空和牛の小売販売は、松牛のみで実施。和歌山市や岩出市、紀の川市の飲食店で味わうこともできる。

問い合わせは松牛(℡0736・69・0505)。

天空和牛と西口さん㊧と西岡さん

天空和牛と西口さん㊧と西岡さん