景況3期連続マイナス 財務事務所7~9月
近畿財務局和歌山財務事務所は、法人企業景気予測調査(8月15日時点)の結果を発表した。県内企業の7~9月期の景況判断BSI(前期比「上昇」から「下降」を引いた指数)は前期のマイナス8・2からマイナス13・7に下降し、3期連続のマイナスとなったが、先行きは、外出機会の増加による需要増加の期待などから、プラスに転じる見通し。
産業別BSIは、製造業がマイナス28・6(前期マイナス21・1)、非製造業がマイナス5・0(同0・0)にいずれも下降した。
先行き見通しは、全産業で10~12月期が5・3に上昇、来年1~3月期がマイナス1・1に下降が見込まれている。
規模別BSIは、大企業(資本金10億円以上)がマイナス9・1(前期18・2)に大きく下降し、中堅企業(1億円以上10億円未満)は0・0(前期マイナス14・7)に上昇、中小企業(1000万円以上1億円未満)はマイナス23・1(前期マイナス9・6)に下降した。
規模別の先行き見通しは、10~12月期で大企業が0・0、中堅企業が12・5、中小企業が1・9にいずれも大幅に上昇。来年1~3月期は、大企業が9・1にさらに上昇する一方、中堅企業はマイナス3・1、中小企業はマイナス1・9に下降すると見込まれている。
企業からは、「コロナの影響がなくなり、外出が増えたことから写真を撮る機会が増加し、プリンターの需要が高まっている」(業務用機械)、「ガソリン価格が高騰していることから消費者で買い控えの傾向が続き、給油量が減少している」(小売)、「中国経済の停滞の影響が依然続いていくものと予想しており、当分は需要の回復が見込めない」(情報通信機械)などの声がある。
雇用情勢は、9月末時点の従業員数判断BSI(「不足気味」から「過剰気味」を引いた指数)が全産業で22・3(6月末時点31・3)で、「不足気味」超の幅は縮小。全産業の今後の見通しは、12月末時点が24・5、来年3月末時点も24・5で、「不足気味」超が続くとみられている。
全産業でみると、2023年度の売上高は2・0%の増収、経常利益は63・2%の増益、設備投資は7・1%増を見込んでいる。
調査は県内に本店がある資本金1000万円以上の法人(電気・ガス・水道、金融・保険業は1億円以上)108社を対象に実施し、95社(回収率88・0%)から回答を得た。