福祉工場に動物アート ジャマイカ出身画家

アートで心を落ち着かせ、和んでもらおうと、ジャマイカ出身の画家、マーヴィン・トンプソンさん(35)が、サンコーピーエム㈱海南工場(和歌山県海南市且来)内にある「SANKOつわぶき福祉工場」の一角に動物の壁画を描いた。

同工場の改装を担当した小川工業(同市重根西)の小川昇さん(66)が、「明るい絵があれば作業する人の励みになるのでは」と提案し、色使いが鮮やかな人が多い外国人アーティストに依頼しようと、知り合いのトンプソンさんに声をかけた。

トンプソンさんはジャマイカで高校の美術教員として勤務。2年前に日本人の妻と共にジャマイカから大阪に移住した。

今回の作品のテーマは「和み」。心を癒やす力がある動物や自然の光景を題材に選んだ。

制作にあたりトンプソンさんは、県立自然博物館(同市船尾)へ行き、森や海に暮らす生き物を観察。他にも、和歌山の海や山、川などへ遊びに行った際に感じたインスピレーションを生かし、アートに反映した。

トンプソンさんは、水中を泳ぐイルカや魚がお気に入りだといい、「職員らがトラやカメ、カピバラを描いてほしいとリクエストしてくれて、にぎやかになった」と笑顔。「自然に対する感謝の気持ちを持って見てもらえればうれしい」と話した。

海南工場製造課の山崎光課長は「作業する人がかわいいと笑顔だった。落ち着いて楽しく働いてもらう一助になれば」と喜んでいた。

 

壁画の前で(左から)小川さん、山崎さん、トンプソンさん