9件、負債額7億4000万円 9月県内倒産

東京商工リサーチ和歌山支店がまとめた9月の県内の企業倒産件数(負債総額1000万円以上)は前年同月比3件増の9件、負債総額は同4億9500万円増の7億4000万円で、新型コロナウイルス関連の倒産が2件あった。

負債額別では、5000万円未満が7件、1億円以上5億円未満と5億円以上10億円未満が各1件。原因別では8件が販売不振、その他が1件。形態別では9件全てが破産。産業別では、サービス業他が4件、運輸業が2件、卸売業、小売業、情報・通信業が各1件だった。

主な倒産には、一般貨物自動車運送業の㈱ネクスト・トランスポート(田辺市、負債額5億1700万円)があった。

同支店は、深刻化する人手不足や物価高に対し、賃上げや価格転嫁をできる企業とそうでない企業の間で格差が拡大しているとし、中国経済の停滞や福島原発の処理水問題により、中国経済への依存度が高い近畿経済、特に中小製造業の受注減などへの影響が懸念されると分析。今月スタートしたインボイス制度の影響を注視する必要があるとともに、中小企業にデメリットが多い円安基調が加速している点なども踏まえ、本年度下半期に向かって、倒産は高水準で推移する可能性が高いとみている。