「花のふるさと」初披露 杉良太郎さん

歌手・俳優の杉良太郎さんが作詞した和歌山の新しいご当地ソングの誕生を記念する「第5回演歌・歌謡曲の祭典in和歌山」が15日、和歌山市の県民文化会館大ホールで開かれた。新曲「花のふるさと」を聴衆の前で初披露した杉さんは「歌いながら、ようやく発表できるなと泣けてきた。皆さんありがとうございました」と涙ぐみ、「この歌を自分の歌だと思ってほしい」と呼びかけた。

杉さんと和歌山の縁は深く、小学生の頃に母親と共に高野山を幾度も訪れたのを始まりに、「濱口梧陵ご献上稲むら太鼓」のCDプロデュースを手掛け、紀の川市桃山町には「杉良太郎桃農園」を設け、和歌の浦の玉津島神社を訪問するなど、さまざまな交流を重ねてきた。

「花のふるさと」誕生のきっかけは、杉さんが友人である林典夫さん(㈱ハヤシ海運=海南市下津町=会長)から「ふるさとを元気にしたい」「ふるさとの力になりたい」との思いで歌作りを依頼されたこと。

杉さん自身が推敲を重ねて書いた詞には、「幸せ運ぶ 片男波 俺のふるさと 和歌の浦」などとつづられている。桃の香りに包まれた春の和歌山での思い出、その香りが紀の川の流れを通じて海へとつながっていくイメージ、前紀の川市長の故・中村愼司さんから贈られた温州ミカンの鉢植えが毎年、小さな白い花を咲かせ、実を結ぶことなどを思い浮かべながら書いたという。

18日のリリースに先立ち、和歌山での初披露の舞台となった「演歌・歌謡曲の祭典」は、杉さんが会長を務める実行委員会が立ち上げ、2019年に第1回を和歌山市で開催。コロナ禍での中断を経て、4年ぶりに和歌山に帰ってきた。

公演は昼夜の2回行われ、杉さんと瀬川瑛子さん、コロッケさん、伍代夏子さんの豪華な出演者が登場。地元歌手として、昼の部に有田てる美さん、宮本静さん、夜の部に松下秀二郎さん、南美枝子さんも出演した。

杉さんはヒット曲の「すきま風」などを披露した後、「花のふるさと」を熱唱。歌い終えたステージには林さんも登場し、「杉さんとご縁があり、無理無理この歌を作っていただいた。ここから和歌山が元気になるように育てていきたいので、よろしくお願いします」と聴衆に頭を下げた。

杉さんは「ふるさとは何ものにも代えがたい価値のあるもの。その、ふるさとの歌を作ってほしいという気持ちが動いた林さんが偉かった」と林さんの強い思いをたたえた。


「花のふるさと」
作詞:杉良太郎、作曲:弦哲也、編曲:西村真吾。18日発売。定価1400円。テイチクエンタテインメント。

「花のふるさと」を熱唱する杉さん

「花のふるさと」を熱唱する杉さん

 

出演した(左から)杉さん、瀬川さん、伍代さん、コロッケさん

出演した(左から)杉さん、瀬川さん、伍代さん、コロッケさん