高齢者施設でフレンチ 県調理師会が提供

高齢者にフランス料理を楽しんでもらおうと、和歌山県調理師会(味村正弘会長)は16日、和歌山市紀三井寺の介護老人福祉施設紀三井寺苑(坂口和男理事長)を訪れ、料理を振る舞った。デイサービス利用者28人がいつもとは雰囲気が違うランチを堪能し、「おいしい!」と声を上げ、幸せいっぱいの表情を浮かべていた。

県の食育実践地域活動支援事業によるもので、同会が高齢者施設で行うのは今回が初めて。フランス料理店JOY味村(同市片岡町)のオーナーシェフ味村正弘さん(71)、味村由里さん(53)、谷田こずえさん(48)が、季節の野菜をふんだんに使った柔らかくて食べやすい料理を考案。前日から準備をし、施設の厨房で調理、盛り付けをした。

メニューは、スズキ、ホタテ、エビをすり身にしたフィッシュボールのクリーム煮、柿の中身をくりぬいて器にし、中に生クリームと柿をスープ状にしたものを入れたデザート、ミネストローネスープ、カボチャのサラダと焼きたての手作りパン。高齢者の体の状態に合わせて、きざみ食にも対応した。

85歳の女性は「柔らかくて食べやすくて、とてもおいしい」とにっこり。90歳の女性は「もう思い残すことはないぐらい幸せ」と味わっていた。

味村会長は「柔らかく、飲み込みやすいよう工夫した。食を楽しみ、喜んで食べてもらえてうれしい」と話していた。

料理を準備する味村オーナーシェフ

料理を準備する味村オーナーシェフ

フレンチを味わう高齢者

フレンチを味わう高齢者