磨いて削って職人体験 ものづくりフェア盛況

ものづくりの魅力や熟練技能者の優れた技を知ってもらおうと「紀の国わかやまものづくりフェア」が3日、和歌山市手平の和歌山ビッグウエーブで開かれ、多くの親子連れらでにぎわった。県職業能力開発協会、県技能士会連合会が主催。新型コロナ禍で中止しており、2019年以来、4年ぶりの開催となった。

主に小中学生を対象に、県のものづくりマイスターや技能士による19ブース、27種類の体験教室が開かれた。

県左官技能士会のブースでは、子どもたちが「光る泥団子作り」を楽しみ、和歌山工業高校建築科の生徒たちもサポート。左官の材料である漆喰(しっくい)を青やピンクなどに色付けして使い、6㌢ほどの泥団子に職人が手際よく均等に塗って見せた。

また、「磨けば磨くほど光る」とアドバイスを受けた子どもたちは、石やスポンジなどで夢中になって磨き上げていた。

田辺技能士会のブースでは細長いヒノキ材を使い、かんな削りに挑戦。子どもたちは「木のいいにおいがする」などと話し、かつお節のように薄く削れた木くずを、うれしそうに持ち帰る子もいた。家族で訪れた同市の小栗慶也君(5)は「削るの楽しい。何回も挑戦した」とにっこり。母親の佳子さん(41)は「木に触れる機会は少なく、職人さんに直接教わるのも貴重な機会。きょうは、とても価値ある体験ができています」と話していた。

その他、銅板レリーフ作りやなわとびの制作、ヘアスタイリスト体験などもあった。

県職業能力開発協会の和中輝雄会長は「学校では、ものづくりの機会が減っている。日本伝統の技や、手仕事の魅力をもっと知ってもらいたい。職人さんたちも、子どもたちの笑顔が大きな励みになっています」と話した。

熱心に泥団子を磨く子どもたち

熱心に泥団子を磨く子どもたち