「立冬」の風物詩 和歌山城で松のこも巻き
「立冬」の8日、和歌山市の和歌山城公園で、園内の約250本の松に「こも」を巻く恒例の作業が行われた。
マツカレハの幼虫(マツケムシ)などの害虫が、冬になると枝から地中に降りてくる習性を利用し、わらで作られたこもの中で越冬させ、春先に焼却する昔ながらの駆除の方法。
和歌山城では江戸時代から行われているとされ、「立冬」にこもを巻き、翌年3月上旬の「啓蟄(けいちつ)」の日(来年は5日)に外すのが伝統となっている。
この日は午前9時から、市和歌山城整備企画課の職員8人が一の橋付近から作業を開始した。
堀端や庭園など園内各所に植えられた松を順に回り、幅約45㌢のこもを木の大きさに合わせて調整し、根元から1㍍ほどの高さで幹に巻き付けた。
こもから害虫が見つかることは少ないが、冬の風物詩として市民に親しまれており、同課は「季節を感じながら和歌山城公園を散策してもらいたい」と話している。