夏季の観光客入込320万人 県内主要7カ所
7、8月の2カ月間に和歌山県内7カ所の主要観光地を訪れた観光客数は、前年を上回り、総数で8・2%増の320万1900人となった。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行後、初めての夏季となり、円安の影響もあって各地でインバウンドが増加。祭りや花火大会などが再開されたことも増加につながり、コロナ禍前の2019年比でも2・4%増となった。
県によると、調査したのは和歌山市、高野町、田辺市龍神村、同市本宮町、旧白浜町、那智勝浦町、旧串本町の7カ所。宿泊客は前年比7・7%増(19年比6・2%減)の77万1300人、日帰り客は同8・3%増(同5・5%増)の243万600人だった。
全国的な猛暑や台風に伴う風雨の影響を受ける日も多かったが、5類移行に伴い数年ぶりに開催された大規模イベントもあり、集客増につながった。
地域別でみると、総数の増加幅が最も大きかったのは串本町。盆に台風7号が直撃し、宿泊客数は前年比14・1%減となったが、町内で予定されていたイベントは開催され、ダイビングなどに県外やインバウンドの利用が多く、日帰り客は43・5%増、総数で30・7%増だった。
和歌山市は、4年ぶりに開かれた「港まつり花火大会」、紀州おどり「ぶんだら節」の集客が多く、インバウンドの回復も追い風となり、宿泊客数は13・1%増、総数で4・3%増。19年比では、宿泊客数は4・7%減まで回復し、総数は4・3%増となった。
高野町は、弘法大師空海の生誕1250年の記念年にあたり、全国の信徒の参拝や観光客が増え、インバウンドも大幅に増加。コロナ禍で特に落ち込んでいた宿泊客数は、19年比ではまだ62・2%にとどまっているものの、前年比で42・7%増と大きく伸び、総数ではコロナ禍前の水準まで回復した。