和歌浦出身の津野監督 上映会で思い語る

和歌山市和歌浦出身の映画監督・津野励木(れいき)さん=東京都=が(40)が8日、同市北新5丁目のライブハウス「オールドタイム」で昨年制作した映画『MAD CATS』の凱旋試写会を行い、集まった同級生や友人らと共に映画鑑賞を楽しんだ。津野監督は「和歌山に帰って来るのは1年半ぶり。話題の作品をたくさん撮ってもっと有名になるよう頑張るので応援してほしい」と話した。

映画好きな両親の影響で幼い頃からたくさんの映画を見てきた津野監督。5歳の時、父と見た映画『死霊のはらわた2』でホラーのとりことなり、映画監督になりたいと夢を持った。星林高校を卒業後、アイルランドに留学。映像制作を学んだ後、ニューヨークに移住。「悪魔の毒々モンスター」シリーズで知られるトロマ・エンターテインメントに籍を置き、設立者のロイド・カウフマンに師事した。2012年に帰国。20年に監督・脚本を手がけた短編ホラーコメディー『CRYING BITCH』がアメリカ・テキサスSXSW(サウスバイサウスウエスト)映画祭、モントリオールファンタジア国際映画祭に選出されるなど、世界から注目されている。

津野監督は昨年8月に長女が生まれ、母に孫の顔を見せるため家族3人で和歌浦に帰省していたところ、知人から誘われ急きょ前日に上映会をすることが決まったという。映画『MAD CATS』は津野監督初となる長編作品のアクション・コメディー。津野監督は脚本と編集も担当した。

昨年11月、市内のジストシネマ和歌山で6日間上映され、故郷で自身の映画を上映するという夢をかなえた。

行方不明の兄救出の旅に出る弟とその仲間たちが、化け猫に襲われる物語。随所にシュールな笑いの要素が盛り込まれ、この日の上映会場は笑い声であふれた。

同作はことし夏ごろに配信の予定もあるそうだ。

次回作については数本企画中とのことで「見る人を怖がらせるシリアスホラーサスペンスを考えている。一風変わった演出で脚本を書いている最中」という。

今後の夢は「話題の映画を数本撮って名をはせたら、家族で和歌山に移住したい。撮影以外は遠隔でできるので和歌山在住で映画監督をすること」と話し、「生まれ育った和歌山の良いところをPRする動画も撮ってみたい」と目を輝かせた。

 

あいさつする津野監督