市長賞に坂本さん いのち支えるポスター

和歌山市が地域自殺対策強化事業の一環として実施している「いのち支えるポスターコンクール」の2023年度入賞者が決まり、最優秀の市長賞に県立桐蔭中学校2年の坂本瑞姫さんの作品が選ばれた。表彰式が1月31日、市役所で行われ、入賞者に賞状と記念品が贈られた。

自殺の多くは追い込まれた末に起こっており、社会全体で考える必要がある課題であることから、市は自殺を身近な問題として市民に捉えてもらうため、10年度から「命の尊さ・人とのつながりの大切さ」をテーマにポスターを募集。

本年度は111点の応募があり、市美育協会の堀本純平会長を委員長とする審査委員会で、市長賞の他、小学生以下、中学生、高校生、一般の4部門の優秀賞各1点と佳作7点を決定した。

坂本さんの作品は、暮れていく夕焼けの空のような色を背景に、肩を組んで泣く2人を描き、「泣いたらええんやで 泣いて泣いて 泣いたら 明日は一緒に 笑おらよ」との言葉を添えている。

坂本さんは、つらいことがあったら我慢せずに泣いて、次の日は一緒に笑えたらいいなという気持ちを作品に込めたとし、「一人で悩まないでほしいということを、見る人に感じてもらいたい」と話していた。

作品は24年度の市の自殺対策啓発ポスターに使用され、市内各所に配布、掲示される。

表彰式では、尾花正啓市長が「作品にはそれぞれの個性があふれ、温かい心を感じる。『いのち支える』というテーマに真摯(しんし)に取り組んでいただいたことが伝わってくる」と入賞者をたたえるメッセージを寄せ、佐藤哲也副市長が賞状と記念品を手渡した。

優秀賞、佳作は次の皆さん。

【優秀賞】小学生以下の部=南辻雪絵(紀北支援学校小学部5年)▽中学生の部=出口和樹(和歌山さくら支援学校中学部3年)▽高校生の部=寺下美緒(市和歌山高2年)▽一般の部=嶋里恵(42)

【佳作】太田聖香(大新小4年)▽甲斐美咲(近大付和歌山高2年)▽嶋藤慧(4)▽玉置亜希(県和歌山高3年)▽殿垣内能範(52)▽野口真央(市和歌山高2年)▽森田みや子(紀北支援学校高等部1年)

 

市長賞に選ばれ笑顔の坂本さんと受賞作品

 

表彰式に出席した入賞者の皆さん