紀の川市認定ブランド 第2弾に4商品

紀の川市は1日、市の認定ブランド「ISSEKI(いっせき)」の第2弾として、新たに4商品を発表した。市内4人の農家がそれぞれ、アートディレクターなど全国のクリエイターと共同で開発。農産物の特性を生かしたものや、廃棄などの農業界の課題解決を図る商品が完成した。

ISSEKIは、市内農家の6次産業化を支援する同市のプロジェクト「LocalCo―CreationProject in 紀の川」を通して誕生。ブランド名には、農家の抱く課題に「一石を投じる」などの意味が込められている。

同プロジェクトでは、市内の農家が全国のクリエイターとチームを組み、市の補助を受けて加工商品を作る。昨年2月には同ブランドの第1弾として、天然ハーブを用いた調香料「Xherb(クロスハーブ)」と、旬の市産野菜を使用したシューマイ「紀の川黒米包み」の2品が誕生。第2弾には10以上の市内農家から応募があり、書類やプレゼン発表の審査を経て昨年2月に4人が選出。約1年をかけて発表に至った。

今回発表された商品は「PARI PORI TEA」「amaboshi」「CHARGE VEGETABLES」「もったいない畑のくだものでつくった一筆箋」の4品。

「PARI PORI TEA」は、Kubo-Labo(同市桃山町)の高岡良さん(40)が作るパッションフルーツを用いた飲料。市内農家の蜂蜜や桃の果肉、ジンジャーをかけ合わせたものなど計3種類が完成した。パッションフルーツの種の食感や酸味を楽しむことができる。高岡さんは「種の食感やパッションフルーツの匂いを楽しみ、蜂蜜と桃も味わってほしい」と呼びかけた。

「amaboshi」は、四十八瀬紀ノ川ファミリー(同市名手上)の中山英樹さん(49)のキウイを使ったドライフルーツ。キウイ独特の食感があり、添加物や砂糖を使わないことから果物本来の味が際立っている。中山さんは「高級なおつまみとして、ブランデーやクラフトビールに合うように作った。ケーキ店などの飲食店にも卸していきたい」と意気込んでいる。

「CHARGE VEGETABLES」は、主に元ちゃんファーム(同市古和田)の小林元さん(43)が作った、黒キャベツやキクイモなど約10種の野菜が含まれる栄養価の高い乾燥野菜スープ。お湯を注いで約2分で野菜本来の栄養が濃縮されたスープが完成するため、災害時の活用なども期待されている。小林さんは「野菜と塩だけで、優しくおいしく出来上がった」と話した。

「もったいない畑のくだものでつくった一筆箋」は、まつばら農園(同市東毛)の松原好佑さん(34)らが農園内の廃棄をなくすために取り組んだ。同農園内で廃棄される柿や、市内2人の農家のキウイとイチジクを材料とした和紙を使用。松原さんは「大切な日のプレゼントやお見舞い、ビジネスシーンで使っていただきたい」と呼びかけた。

1日の商品発表会では、4人が同市農林商工部の西田吉雄部長から認定証を受け取った。参加者は試飲や試食も実施。一筆箋の書き心地なども確かめた。

4商品は2月上旬、東京都で展示や販売が予定されている。

 

認定証を手に(左から)小林さん、高岡さん、松原さん、中山さん