耐震化支援制度の利用を 県が呼びかけ
能登半島地震で住宅の倒壊に伴う死傷者が多いことから、岸本周平和歌山県知事は5日、住宅の耐震性確保のため、県の耐震化支援制度を利用するよう、改めて県民に呼びかけた。
能登半島地震による石川県内の被害状況(2日午後2時現在)は、住家被害4万9429棟、死者240人、負傷者1421人。南海トラフ地震の脅威を抱える和歌山県にとって、住宅の耐震性確保の重要性が改めて注目されている。
県は2000年5月以前に建築された木造住宅について、自己負担なしで耐震診断を実施。耐震改修サポート事業として、各種相談、補助申請手続き、改修プランや概算工事費の提案などを手助けする専門家を無料派遣し、安心して耐震改修工事に移行してもらう取り組みも進めている。
補強設計・改修については、定額66万6000円に工事費の40%(上限50万円)を合わせた最大116万6000円の補助があり、自己負担なしで工事ができる場合もある。工事費の低減を図る低コスト工法や、耐震基準は満たさないが、まずは一定の耐震性を確保する避難重視型補強も補助対象となる。
地震発生時に生存空間を確保するための耐震ベッド、耐震シェルターの設置費用も、3分の2、最大26万6000円の補助がある。
県内の住宅耐震化の状況は、2020年度の推計で全住宅約37万9000戸のうち約6万5000戸(17%)が耐震基準を満たしておらず、耐震化率は83%。本紙エリアの4市は、和歌山市87%、海南市80%、紀の川市79%、岩出市89%となっている。
能登半島地震を受けて、岸本知事は「おそらくことしは(耐震化支援制度の利用が)増えるだろうと思っているし、増やしていきたい」とし、「古い木造住宅にお住まいの方は、これを契機に耐震化について問題意識を持っていただき、ぜひ利用をお願いしたい」と呼びかけた。