2年連続増の1502億円 和歌山市24年度予算案

和歌山市は15日、2024年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比2・0%増の1502億3039万円で、2年連続の増加。前年度に続いて収支不足はなく、26年ぶりに2年連続の収支均衡を実現した。物価高騰が長引く中、市民の生活と安心を守る取り組みを継続しつつ、市の魅力を高め、人口の社会増に向けた地方創生をさらに前に進めるとしている。予算案は22日開会の2月定例市議会に提案される。

一般会計に特別会計と公営企業会計を含めた予算総額は、前年度比0・5%増の2878億4604万円となった。

尾花正啓市長は「問題は人口減少、特に社会減。活力ある今のうちに、将来に持続できる和歌山に向けて、地方創生による人口の社会増に向けたラストスパートをかける予算とした」と話した。

■一般会計歳入

自主財源の構成比は45・6%(前年度46・6%)にやや下がり、依存財源が54・4%(同53・4%)となった。

自主財源のうち市税は、個人市民税で所得の増加などによる5億6000万円の増を見込む一方、国の税制改正に伴う定額減税による24億9000万円の減があり、全体で3・0%減の575億3000万円。

寄付金などその他の自主財源は、ふるさと納税の8億4000万円増、退職手当基金の繰入額が5億2000万円増えることなどにより、18・2%増の109億8000万円。

依存財源は、地方交付税と、償還が同税で措置される臨時財政対策債の合計が1・3%増の175億2000万円。借金に当たる市債発行額は、借換債の減少やコミュニティセンター建設事業債の増加などにより、9・9%減の57億8000万円となる。

国県支出金は、障害者福祉サービスの給付費等負担金の増加などにより、1・6%増の436億6000万円。その他の依存財源は、定額減税による減収分が地方特例交付金で補填(ほてん)されることなどから、95・4%増の55億3000万円となる。

収支不足の際に使用する財政調整基金の取り崩しはなく、24年度末の残高は157億8000万円を見込む。

■一般会計歳出

義務的経費は1・9%増の929億2000万円で、構成比は61・8%(前年度62・0%)。うち人件費は、退職手当の増加などで5・2%増の252億1000万円。扶助費は、障害者福祉サービスの給付金や保育施設への給付金の増加、新型コロナ関連の公費負担の減少などにより2・8%増の504億円。市債の返済などに充てる公債費は、借り換えによる一括償還分の減少などの影響で5・0%減の173億1000万円となっている。

投資的経費は8・8%(6億1000万円)増の76億円。砂山地区へのコミュニティセンター整備で7億3000万円増、高機能消防指令システム等の更新で4億9000万円増などがある。

その他の経費は1・3%増の497億1000万円。小学校給食費の無償化による6億6000万円増、青岸エネルギーセンターの発電機修繕の2億8000万円増などがある一方、燃料費高騰が落ち着いたことで光熱水費が2億5000万円減などとなっている。

■特別会計・公営企業会計

特別会計は、国民健康保険事業や介護保険事業、駐車場管理事業など11会計合わせて3・5%減の961億1204万円。公営企業会計は5・0%増の415億361万円となっている。

 

新年度予算案を説明する尾花市長