早春の生け花 未生流県連合会60周年記念展
華道の未生流県連合会(宮下裕甫会長)の創立60周年を記念した「いけばな展」が24日、和歌山市の和歌山城ホール1階展示室で始まった。25日まで。初日にはテープカット式もあり、肥原慶甫家元をはじめ、関係者で華やかに祝った。
同連合会は葛城、紀北、田辺、和歌山の4支部から成り、「きのくに早春の詩」をテーマに、80人が出瓶。季節の花々を使い、節目を祝う約50点が会場を彩っている。
小中学生7人も参加し、伝統美が美しい格花から、現代的な感覚を取り入れたものまで、春の気配が感じられる作品が並ぶ。
ほころぶ梅や愛らしい牡丹桜の古木を伝統的に生けた作品は、風情のある味わい。鮮やかな赤い枝のレッドウィローとトクサ、梅の古木を組み合わせ、天に伸びるような流れのある大作は生命力が伝わってくるよう。その他、庭に自生するリュウゼツランの葉を使い、ビワの木や雲竜柳の形状を生かして絡み合わせた共同作品などもあり、訪れた人はスマートフォンで写真に収めるなどしている。
肥原家元(52)は「全国的に見ても、和歌山は生け花の盛んな地域。若い世代にも、伝統的な生け花を楽しみ、選択肢の一つに加えてもらえれば」と笑顔。同連合会の宮下会長(70)は「四つの支部が協力し、素晴らしい作品が並びました。生け花の持つ癒やしの心、優しさで、皆さんの気持ちが少しでも和らげばうれしいです」と呼びかけている。
午前10時から午後4時まで。