最優秀賞に南村さんら ビジネスプラン審査
創業から間もない人や創業に関心のある人を支援する「第9回ビジネスプランコンテスト」の最終審査が和歌山市で行われ、最優秀賞に、一般の部は同市の南村真衣さん(30)の「民間企業支援型CSA事業」、高校生の部は県立箕島高校の上道智温さん、鈴木ほのかさん、谷口希羽さん、鈴木彩香さん、福田京美さんのプラン「アイスる父のために #初めての親孝行」が輝いた。
公益財団法人わかやま産業振興財団や地元金融機関など7団体でつくる実行委員会が主催。今後1年以内に県内での起業を検討している人や、県内で起業した3年未満の個人や事業者を対象にした一般と、若い世代を対象にした高校生の部でアイデアを募った。
2部門で計65件の応募があり、この日は審査を通過した8組(一般5、高校生3)が発表。新規性や創造性、収益性、地域貢献度などの項目で審査された。
南村さんは昨年7月に起業し、今回発表したプランは、1次産業である農業を活性化させるCSA(Community Supported Agriculture=地域支援型農業)の事業。CSAは消費者が前もって代金を農家に支払い、生産を委ねて作物を受け取る仕組みで、欧米を中心に普及しているという。
南村さんのアイデアは、企業が消費者となり、地元農家と契約することで地域産業を支えようというもの。農家にとっては代金の前払いによって計画的な経営が可能になり、企業にとっても地域貢献につながるなど、双方にメリットがあることを紹介した。
表彰を受け、南村さんは「頑張っている1次産業を応援したいという気持ちに共感いただけ、大変うれしい。事業ではマッチングがうまくいけば農家の収入は安定する。実証に向けて、まずは一歩でも行動に移し、課題解決に向けて取り組んでいきたいです」と笑顔で話した。
箕島高校の5人は、有田市のミカン農家で廃棄されるミカンを正規の価格で買い取り、ジェラートに活用するという農家にも地球にも優しい事業を提案。食べられるスプーンを採用し、試作品の試験販売を重ねるなど、検証しながら自慢のプランに練り上げた。
この日は、発達障害の息子のために表・裏のない「オールフロントTシャツ」を考え、ユニバーサルファッションの企画販売を行う「fukufuku312」を起業した和歌山市の前田香さんによる講演もあった。
この他、ビジネスプランコンテストの入賞者は次の皆さん。
【一般の部】優秀賞=中うらら「頑張るママを応援!地元のおばあちゃんが活躍する託児施設▽優良賞=前田絵理子「助産師の経営するお母さんのための産後ケア施設」▽グッドプラン賞=吉村健吾「和歌山を日本のシリコンバレーに」、堀木和弥「介護福祉士によるデイサービスでの機能訓練(リハビリ)へのアプローチ」
【高校生の部】優秀賞=山川菜由・長矢鈴夏(神島高校)「Ji&Bar(じーあんどばー)~少子高齢化社会への提案」▽優良賞=硲彩乃・畑中栄里(田辺高校)「探Qの家」